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改正港湾法が成立/沖合での洋上風力発電事業促進/ゼネコンのSEP船建造相次ぐ  [2019年12月3日1面]

 改正港湾法が11月29日の参院本会議で可決、成立した。一般海域での洋上風力発電の促進に向け、拠点となる「基地港」の埠頭(ふとう)を発電事業者に長期間貸し付ける制度を新設する。近く公布し4カ月以内に施行される。プロジェクトを具体化する動きに連動し、重厚長大な発電設備の設置に必要な自己昇降式作業台船(SEP船)を建造するなど、ゼネコンの動きは活発になっている。
 政府は2016年に施行した改正港湾法により、洋上風力発電事業の普及を後押しする「占用公募制度」を創設した。同制度では事業の実施箇所を地方自治体が管理する「港湾区域」に限っていたが、今年4月に施行した「海洋再生可能エネルギー整備法」で、より沖合に位置する一般海域での事業展開が可能となった。
 29日に成立した改正港湾法では、沖合に発電設備を設置する際の拠点となる基地港の埠頭を、発電事業者に長期間貸し付ける制度を新設する。事業に必要な公募占用計画の有効期限も20年から30年に延長。事業に長期的な見通しを付けることで、発電事業者が融資を受けやすい環境を整える。
 国土交通、経済産業両省が、年内にも一般海域で発電事業を促進する区域を選定。20年に事業者の公募と基地港の指定に取り組む。
 法改正で洋上風力発電事業のフィールドが港湾区域から一般海域に広がる。増加が見込まれる発電設備のEPC(設計・調達・建設)受注に向けたゼネコンの取り組みも顕在化。SPE船を建造する動きが相次いでいる。
 清水建設は今夏、約500億円を投じる。世界最大規模となるSEP船の建造を発表した。12メガワット級の風車を5日で3基据え付けることが可能な能力を備える見込み。22年10月の完成を予定している。
 五洋建設と鹿島、寄神建設(神戸市兵庫区、寄神正文社長)はSEP船を共同建造する。1600トンつりの全旋回式クレーンを搭載。20年1月に共同出資の船舶保有会社(出資比率=五洋建設65%、鹿島30%、寄神建設5%)を設立。22年9月の完成、23年3月の稼働開始を目指す。船舶をシェアすることで稼働率を高める。未稼働時に他社が利用することも想定している。
 一般的に洋上風力発電事業は環境影響評価(環境アセスメント)に約4年、工事期間は3~5年程度かかる。大型SEP船の建造も数年単位での期間が必要となる。

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