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三菱電機ら/土木インフラの維持管理計画作成支援技術を開発/最適な補修時期算出  [2019年12月3日3面]

 三菱電機と東京工業大学、鹿児島大学の3者は、土木インフラの長期的な維持管理計画が容易に作成できる「土木インフラ維持管理計画の作成支援技術」を開発した。ひび割れやコンクリートの剥離など損傷状況から劣化の進行速度を予測し、最適な補修時期や補修コストを算出。多様な維持管理目的に沿った計画を作成できる。11月から鹿児島県薩摩川内市の橋梁を対象に技術の実証を開始している。
 技術の開発に当たり、三菱電機が最適化アルゴリズムの開発などを、東京工業大学が補修コストのモデル化と劣化進行モデルの統合を、鹿児島大学がインフラ点検データの解析、劣化進行のモデル化を担当した。
 薩摩川内市が管理する538本のコンクリート橋の橋梁データとその点検結果を解析し、コンクリート橋の劣化進行に大きく影響するひび割れとコンクリートの剥離、鉄筋露出などの損傷に着目。劣化の進行速度を予測する独自の劣化進行モデルを考案した。これにより、現在の健全度では分からなかった早期に劣化する土木インフラを見つけられるようになった。
 ひび割れの深さやコンクリートの剥落面積など、損傷の種類と度合いによって補修工法が異なることから、損傷の種類と度合いに応じて補修コストを算出する「補修コストモデル」を作成した。「劣化進行モデル」と組み合わせることで、劣化進行に対応した補修コストの見積もりを可能にした。
 管理者の維持管理目的に応じた計画作成が可能。各管理者の維持管理目的を、要補修レベルや落下物の第三者被害による経済損失などの指標に変換し、「劣化・コストモデル」と合わせてパターン化することで目的に沿った計画を作成する。これにより膨大な数のインフラの劣化進行や補修時期、補修コストを算出し、管理者の多様な維持管理目的を考慮した複数の維持管理計画案を容易に作成・提示できる。
 インフラの予防保全には長期的な維持管理計画の作成が必要となるが、土木インフラの数は膨大で、人手による適切な計画の作成には負担がかかる。予算の制約がある中で、インフラの維持管理目的も災害時の避難経路の確保や落下物による第三者被害の防止などと多岐にわたるため、維持管理計画に管理者の複数の意図を的確に反映することが困難になっていた。

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