BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・118/樋口一希/3次元赤外線スキャンカメラ活用  [2019年12月19日]

3次元赤外線スキャンカメラ

3次元モデル化した竣工建物のイメージ画像(建物内3次元ウオークスルー画面)

 大成建設は、3次元赤外線スキャンカメラを用いて企画・設計・施工・維持管理の建設生産プロセスにおいて建物を3次元モデル化して、プロジェクトに関わる関係者間で既存建物の詳細な情報を共有できるサービスを開始した。

 □建設業においてもストック型の社会に備えて既存建物のリノベに対応する技術開発が急務□

 2020年の祝祭にまつわるプロジェクトも収束の時期を迎え、連続して好決算を記録した建設業界もターニングポイントを迎えるに違いない。非公式に接触したゼネコン関係者も、手元工事量が減少していると次への危機感を表明した。社会構造もリアルからデジタルへ、大量生産・大量消費のフロー型から価値ある社会資本を長持ちさせるストック型へと転換期を迎えている。
 そのような転換期を迎え、建設業においてもストック型社会に備え、既存建物のリニューアルやリノベーションに向けた企画・設計・施工・建物維持管理に関わる新たな技術開発や生産性の向上と対応策が急務となっている。

 □3次元赤外線スキャンカメラと4K画像合成クラウドを活用して建物の3次元モデルを作成□

 新たに展開するサービスは、ストック型社会への転換に向けて現状の諸課題を解決するために開発したもので、米国マーターポート社(Matterport,Inc.カリフォルニア州サニーベール)(※)が開発・販売する3次元赤外線スキャンカメラと4K画像合成クラウドを活用して作成した建物3次元モデルを基に、建物内3次元ウオークスルーによって空間体験や現状の3次元モデルと完成モデルを融合させて、設計・施工の事前検証を行うプレコンストラクションなどを行う。
 大成建設はすでに30件に及ぶ施工中建物、既存建物を3次元モデル化し、その性能などの検証を行った結果、建設生産プロセスの各フェーズにおいて、打ち合わせ時間削減などの有効性を確認している。今後は既存建物や伝統建築物および竣工建物の3次元モデル化を進め、顧客との打ち合わせや会議を含め、建設生産の各プロセスで活用し、サービスのさらなる適用拡大を目指していく。
 ※https://matterport.com/

 □オールイン設計のために単体で既存建物の調査・検査・再設計に関わる全てのデータを入手□

 マーターポート社の3次元赤外線スキャンカメラ「Matterport Pro2 3D Camera」は鮮明なウオークスルーと正確な3次元データを得るスキャン撮影を実現するプロ仕様のカメラだ。オールイン設計のため単体で現実世界=既存建物の調査・検査・再設計に関わる全てのデータを入手できる。モノクロのフロアプランを高確度で自動的に生成し、印刷とデジタルの両方に対応した4K HDRの高解像写真画像として生成する。入手データはBIMソフト「Revit」および「Xactimate」(※)と互換性のあるOBJファイル(※)などの情報資産として蓄積できる。
 「Matterport Pro2 3D Camera」は、アプリ「Capture App 3.0」が稼働しているiOSデバイスと同期してスキャニングを開始し、ボタンを1回押すだけで最終的な3次元モデルの取得に簡単に移行できるなど操作も容易だ。
 ※Xactimate=Xactware社製の財産請求のための包括的なソフトウエアソリューション
 ※Objファイル=Wavefront社が開発した3次元モデルフォーマットで3次元ジオメトリのみを表現するデータ形式。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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