BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・119/樋口一希/清水建設の設計施工連携BIM  [2020年1月9日]

「Shimz One BIM(設計施工連携BIM)」概念図

 2020年は清水建設の最新動向の報告からスタートする。清水建設については前連載「BIMの課題と可能性」第24回で鉄骨BIMソフト「KAPシステム」の運用メリットを報告、直近では本連載第108回で「DDEプラットフォーム構築」を取り上げるなど継続的に追跡してきた。同社は今回、BIMソフト「Revit」をベースにした「Shimz One BIM(設計施工連携BIM)」の構築を進めると明らかにした。

 □「KAP for Revit(K4R)」を開発し全構造設計者のパソコンへの標準装備を終え案件適用を開始□

 建築工事の大規模化や人手不足を背景に鉄骨造建築物が急増する中、鉄骨積算業務は作業者の負荷が大きく、加えて鉄骨のコストが全体コストに対して占める割合が高くなっていることから、鉄骨積算業務の効率化と精度向上が喫緊の課題となっている。そのような状況下、構築中のShimz One BIMのうち、鉄骨造対応の基盤を先行整備して「KAP for Revit(K4R)」を開発、全構造設計者のパソコンへの標準装備を終え、案件適用を開始した。
 「KAP for Revit(K4R)」は、設計者が作成する鉄骨造のRevit構造データを鉄骨の積算や製作(発注)に必要なデータに変換するツールだ。今後は「KAP for Revit(K4R)」の活用によって積算業務の効率化と鉄骨造のコストダウンを図る。

 □鉄骨数量を的確かつ容易に把握でき経済的な構造プランを追求できる「KAP for Revit(K4R)」□

 鉄骨BIMソフト「KAPシステム」は、開発当初から現在のBIMに通じるコンセプトが盛り込まれたCADソフトで、3次元モデルから鉄骨の積算や製作(発注)などに必須な加工情報が取得できるように設計されていた。一方で、鉄骨業内部での独立したシステムであるため、必要なデータを初元から入力する必要があり、入力の作業手間と時間の削減が運用上の課題になっていた。「KAP for Revit(K4R)」の運用によって大規模物件であってもRevit構造データが数時間のうちに自動的に「KAP for Revit(K4R)」用のデータに変換できるため、これまで最大で数日かかっていたデータ入力作業を大幅に削減できる。
 「KAP for Revit(K4R)」の運用メリットは、具体的には設計段階において構造設計者が鉄骨数量を的確かつ容易に把握でき、経済的な構造プランを追求できることにある。経済合理性に優れた構造プランは、受注競争力を向上させるとともに発注者メリットとなるコストダウンにも直結する。
 積算・発注段階においては、製作する鉄骨の仕様や数量を容易に把握でき、鉄骨ファブともデータ連携できるため、積算数量整合など両者の関連業務を大幅に効率化できる。施工段階においても、現場での鉄骨工事の施工図作成業務を最大50%程度省人化できる見込みだ。
 最終的には鉄骨調達情報を本社で一元管理し、全社コスト戦略の立案や全社レベルでの鉄骨調達に活用することで、コスト競争力を一層高める計画だ。清水建設では引き続き「Shimz One BIM」の基盤整備を進め、鉄筋工事や型枠工事、設備工事等の効率化を進める。
 「KAP for Revit(K4R)」は次のサイト(※)から情報登録することで、「2018、2019(トライアルβ3版)」がダウンロードできる。
 ※https://www.kapsystem.jp/kapforrevit/index.html
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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