行政・団体

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

東京都/特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化を促進/部分的改修などへ助成拡充  [2020年1月14日4面]

 東京都は特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を着実に進めるため、耐震改修の助成制度を拡充する。耐震改修の部分的な工事を実施する場合でも助成金を受けられるようにし、複数回に分けた段階的改修を促す。テナント対応などでオーナー側に追加の費用が発生する場合、助成額を加算する仕組みも導入する。いずれの施策も昨年12月27日に公表した「都耐震改修促進計画」の改定素案に盛り込んだ。
 素案に対する都民意見の募集を経て3月末に正式改定し、2020年度に新たな制度をスタートさせる。助成額の詳細などは、助成金交付の窓口となる区市町村と調整する。
 現行制度では段階的改修であっても、最終的な工事完了期限を明確に定めていた。改定後は2回目以降の工事が未定の場合でも、Is値(構造耐震指標)を0・3以上とすることを条件に部分的な工事の費用を助成する。当面は必要な耐震水準に満たなくとも、倒壊リスクを少しでも減らすことを重視した。
 テナントビルなどでは、耐震改修に当たってテナントとの調整に手間取ることも多い。工事期間中のテナントへの補償などが必要になるケースもあるため、それらの追加費用に応じ助成額を加算する。加算方法は今後検討する。
 今回の改定では耐震化の進捗(しんちょく)状況を示す評価指標も改める。これまでの「耐震化率」に代わり、緊急車両の通行可能性を的確に表せる「到達率」を採用する。都都市整備局の担当者によると「特定緊急輸送道路の通行機能の確保という本来の目的に立ち返り、耐震化の効果がより見えやすいようにした」という。
 震度6強の地震が発生した場合のシミュレーションを繰り返し、都県境入り口から対象区間までの到達率を表す「区間到達率」を算出。各区間の到達率が一目で確認できるマップも明示し、地域ごとの効果的な耐震化を促す。
 25年度末までの目標値として区間到達率95%未満の解消を掲げた。区間到達率の平均値となる「総合到達率」は、昨年6月末時点で91・8%。25年度末までに99%、35年度末までに100%の達成を目指す。
 改定素案には組積造の塀の耐震化方針も新たに付け加えられた。新耐震基準導入前に建築されたり、長さが8メートルを超えたりする塀を対象に、耐震診断を義務付ける。診断結果の報告期限は21年度末。耐震性が不十分だった塀に対しては除却や建て替えを働き掛け、25年度末までにおおむね解消させる。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。