論説・コラム

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回転窓/宇高航路休止に想う  [2020年1月15日1面]

 瀬戸内海に浮かぶ小さな離島・直島(香川県直島町)。ここにある地中美術館を訪ねたことがある▼直島福武美術館財団が2004年4月に開設し、安藤忠雄氏が設計した。いくつかの開口部が地上に出ているだけでそれ以外はすべて地下に埋められているという、少し変わった美術館だ▼展示は印象派の巨匠・モネ、米国の現代美術作家であるウォルター・デ・マリアとジェームズ・タレルの3人の作品だけ。点数は少ないが開口部から取り入れられた自然光が、それぞれの作品の個性を引き出し、作品と展示スペースが一体となった作りが印象に残る▼実は地中美術館を訪ねたのは宇野港(岡山県玉野市)へ取材に行ったことがきっかけ。宇野港で直島行きのフェリーに多くの欧米人が乗り込んでいる姿を見ていつか行って見ようと思い、ある時に足を運んだ▼宇野港は高松港に接続する宇高航路の発着港で、本州と四国を結ぶ物流の大動脈を担ってきた。ただ本州四国連絡橋の完成で宇高航路フェリーは衰退。昨年12月にとうとう運航休止になってしまった。直島など離島便は継続されるが、一つの時代の終わりに寂しさを感じる。

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