BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・120/樋口一希/コクヨが家具見積書作成を自動化  [2020年1月16日]

「GRIP」の作図積算業務のプロセスイメージ

 コクヨは、顧客への提案業務における3次元パース作成と家具見積書作成業務の自動化ソフトウエア「GRIP=GRaphically Integrated Platform(グリップ)」を導入し、これまでの労働集約型のプロセスを改善する新たな取り組みを1月から開始する。建築業でのBIM普及が進む中で、専門工事業者や建材メーカーなどサードパーティーのBIM対応もさらに加速化するものと考えられる。

 □ソフトウエア「CET Designer」+商品情報+レイアウトルールを組み込むプログラムから構成□

 「GRIP」は、本社をスウェーデンに置くConfigura社(コンフィグラ社)が提供するパッケージソフトウエアを基に、2次元で作成したオフィスレイアウト図面から3次元パース作成と配置されたオフィス家具製品の品番・数量の拾い出しや見積書作成が自動化できるソフトウエアだ。
 これまでの提案業務のプロセスでは、2次元のオフィスレイアウト図面から複雑な家具配置ルールをチェックし、その品番や数量などを拾い出して、積算書を作成する手作業が主体となっており、膨大な業務工数や長時間の教育研修などを要するのが課題となっていた。それら労働集約型の業務プロセスを大幅に改善するため、オフィス提案業務における「働き方改革」として2017年から約2年間で、コンフィグラ社と協働して独自に「GRIP」を開発してきた。
 「GRIP」のシステム構造は、コンフィグラ社のパッケージソフト「CET Designer」をベースに、コクヨのオフィス家具の商品情報(品番、価格、サイズ、2/3次元モデルなど)データベースとなるカタログと多様なレイアウトルールを組み込めるプログラム(PGC=Parametric Graphical Configuration)の機能で構成されている。

 □「GRIP」による作業の時間が従来比で約50%減となり、大幅な時間削減の効果が得られた□

 「GRIP」導入前に実施した実務検証では、オフィス提案業務のプロセスのうち、オフィスレイアウト図面からの家具品番などの拾い出し作業約120分の業務を例に検証作業を行っている。その結果、「GRIP」による作業時間が従来比約50%減(約60分※)となり、大幅な時間削減の効果が得られた。
 これらの実務検証によってオフィス提案業務における長時間労働からの解放、従来の手作業によるケアレスミス防止と担当者の業務ストレス軽減とともに、顧客への提案品質の向上や作業の迅速化が可能となった。
 1月から首都圏エリアの拠点部門を中心に「GRIP」の導入を開始し、他エリアの拠点へも順次展開しながら、提供価値の独自性を高め、顧客のオフィス空間づくりに貢献していく。
 (※)社員15人のオフィスでの実務検証で「GRIP」を使用した実務作業時間の平均値。

 □ES(従業員満足度)向上+CS(顧客満足度)改善+ムダなどを削減できる生産性向上に寄与□

 「GRIP」の採用による改善効果は、主に以下の3点に集約できる。  従来の手作業による地道で手間がかかる拾い出し業務から脱却できるのと合わせて、担当者に依存するノウハウをシステムに取り込むことで、経験の少ない新人でもミスなく簡単に業務が遂行できるなどES(従業員満足度)の向上が図れる。
 オフィスレイアウトや家具の形状、色などの要素に基づく3次元空間イメージが把握できるだけでなく、オフィス空間づくりの提案のスピードが向上し、オフィス構築が素早くできるなどCS(顧客満足度)の向上が実現する。
 オフィスレイアウト図面を基にした情報の一元化で業務上のダブりやムダなどを削減できるなど生産性の向上に寄与する。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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