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前田建設・前田操治社長/前田道路TOBで会見/コンセッションでの競争優位性狙う  [2020年1月22日3面]

会見する前田社長と岐部一誠取締役

 前田建設の前田操治社長は東京都中央区の東京証券取引所で20日に会見し、株式公開買い付け(TOB)で前田道路を連結子会社化するメリットを強調した。前田社長は「前田道路の独自の企業文化、経営の自主性を尊重し完全子会社にはしない」とした上で、「前田道路が連結子会社になれば当社が近年力を入れている道路運営のコンセッション(公共施設等運営権)事業で高い競争優位性が発揮できる」などとTOBの狙いを説明した。
 TOBを決断した背景について、前田社長は「老朽化インフラの維持管理でPPPや官民連携などによる新たな市場拡大が見込まれ、建設業ではデジタル化が急ピッチで進んでいる。これらの変化に対して当社も早い対応が必要だ」と述べた。生き残りに向けた対応策として「両社がこれまで培ってきた技術力などを共有して有効活用すれば道路、空港などさまざまなインフラ維持管理事業の上流から下流まで事業領域を拡大し、着実に高収益を出せるだろう」と語った。
 グループとしての一体感を高めることで、昨年開業した技術開発拠点・ICI総合センターを活用した人材開発、技術開発を一層効果的に行えるとも強調。特にデジタル化への対応では「技術力や蓄積した顧客資産などの経営資産を共有し、実績ノウハウをビッグデータとして一元化することで、より高い精度でのデータ分析が可能になる。これによりグループ全体の計画立案をより強力に推進できる」とした。
 TOBが成立した場合、6月開催予定の前田道路の株主総会で「社外取締役比率を引き上げる提案をする」との考えも明かした。
 前田建設のPPPやコンセッション分野での営業利益は連結ベースで約60億円。前田社長は今後10年で「PPPやコンセッションの営業利益を請負業である土木・建築と同程度の300億円にまで伸ばしたい」との目標を示した。PPPなどを事業の新たな柱にするに当たり、前田道路の連結子会社化が必要と強調した。
 ただ前田道路はTOBに反対する立場を表明しており、20日付で資本関係の解消を提案。グループ戦略を巡り折り合いが付かず内部対立が鮮明になっている。

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