BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・121/樋口一希/積水ハウスの安否確認システム  [2020年1月23日]

HED-Netのサービスイメージ

 積水ハウスは、連載第84回(2019年1月24日付)で報告した「プラットフォームハウス構想」の具体的な展開型といえる在宅時急性疾患早期対応ネットワーク「HED-Net(In-Home Early Detection Network)」を米国ラスベカスで開催された世界最大級のコンシューマー・エレクトロニクス見本市「CES2020」で発表した。

 □急性疾患へ早期対応するサービス開発にパートナーと取り組み「HED-Net」の構築を実現□

 20年に創業60周年を迎えるのを契機として積水ハウスでは、人生100年時代の幸せをアシストする役割を果たすことを目指し、19年1月には「健康」「つながり」「学び」といったサービスをインストールでき、「住まい手の生活サービスを長期にわたりアシストする」独自の家づくり「プラットフォームハウス構想」を発表した。
 その後の1年間に、「健康」、特に家で発症する可能性の高い「急性疾患」へ早期対応するサービス開発にパートナーと共に重点的に取り組んできた結果、在宅時急性疾患早期対応ネットワーク「HED-Net」を構築するに至った。
 HED-Netは、住宅内で住まい手のバイタルデータを非接触で検知・解析し、急性疾患発症の可能性がある異常を検知した場合に、緊急通報センターに通知、オペレーターが呼びかけにより安否確認を行い、救急への出動要請、救急隊の到着を確認し、玄関ドアの遠隔解錠・施錠までを一貫して行う仕組みだ。
 HED-Netは「安否確認システム」として国内のシステム特許を取得し、国際特許出願中。

 □住まい手にストレスをかけない検知・解析を目指すために非接触型センサーを採用□

 HED-Netの構築に際しては、センサー技術などの工学的見地や医学的見地、コニカミノルタ、NEC、NTTコムウェア、プレミア・エイドなどの各パートナーや積水ハウスが持つそれぞれの専門的知見を持ち寄り、産学連携で独自の体制を構築してプロジェクトを推進してきた。
 住まいの中で先進技術をどのように活用するかも重要だが、先進技術のために、住まい手の快適な生活を犠牲にすることがあってはならない。HED-Netの構築に際しては、住まい手の「今まで通りの生活」にこだわり、できるだけ住まい手にストレスをかけない検知・解析を目指すため、「非接触型センサー」を採用した。加えて独自の体制構築において課題となった遠隔解錠・施錠技術やセキュリティー、救急への出動要請などについては、産学をまたがる多様なパートナーとの連携により課題解決に取り組んでいる。

 □経時変化・予防サービスの開発など「プラットフォームハウス」のさらなる進化を目指す□

 HED-Netにおける非接触型のセンサーの採用に際しては、実際の住まいでの検証を含めた開発が重要となるため、HED-Netの社会実装を20年中に開始する。具体的には、研究室や病室とは異なる、人の暮らしに寄り添った環境での「生活者参加型パイロットプロジェクト」を開始する。
 今後は、それらパイロットプロジェクトで蓄積されたバイタルデータを活用した経時変化・予防サービスの開発など、「プラットフォームハウス」のさらなる進化を目指す。合わせてHED-Netを進化させながら、「経時変化」からリスクが分かる疾患を早期発見する非接触でのモニタリング方法、住まい手のバイタルデータと住環境データの医学的観点での分析によるパーソナライズされた「予防」サービスの提案実現に向けて研究開発を進めていく。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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