工事・計画

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JR東海/リニア新幹線第一首都圏トンネル北品川工区/21年4月ころ掘削開始  [2020年1月30日4面]

サンライズビットを備える泥土圧式シールドマシン(一部CG合成)(JR東海提供)

吉岡直行担当部長

 ◇施工は熊谷組JV
 JR東海は、リニア中央新幹線(東京・品川~名古屋)の第一首都圏トンネルのシールド掘削を2021年度初めに開始する方向で調整に入った。品川駅(東京都港区)の南方約1キロに位置する北品川非常口(品川区)となる立坑から発進するシールドマシンが完成し、4月ころから立坑に搬入する。今秋から防護工や必要な設備を整える発進準備に着手する。リニア本体初のシールド掘削工事で、最大土被り約90メートルの大深度掘削がいよいよ始まる。=1面参照
 第一首都圏トンネルは、品川駅の近くから名古屋方面への延長約36・9キロ。約33キロがシールド掘削の対象となる。完成したマシンは、同トンネルのうち熊谷組・大豊建設・徳倉建設JV施工の北品川工区約9・2キロの区間内を掘削する。2019年12月に完成した北品川非常口を発進し、東雪谷非常口(大田区)を経由し、等々力非常口(川崎市中原区)に至る。
 東雪谷、等々力の両非常口は建設中。マシンは北品川の地下約80メートルから出発し、地下約50メートルの首都高速中央環状品川線の下をくぐりながら、上総層群の固い地盤を掘り進む。土被りは最大約90メートル。等々力到達後、マシンの一部は北品川から品川駅方面の掘削に再利用する計画だ。
 マシンはJIMテクノロジーが製作した。泥土圧式で、外径は14・04メートル、機長14・53メートル。カッターヘッドは、掘削面に約700個のビットを備える。8キロ以上の長距離掘削となり、立坑のコンクリート製仮壁と地盤を最適な仕様で掘削する必要もある。
 熊谷組とJIMテクノロジーが共同開発した「サンライズビット工法」を適用。機内から遠隔操作で安全に交換できる「サンライズビット」を22基備えている。地山用、仮壁用、地山用予備といったビットが順に掘削面に出る装置で、施工に万全を期すためにビットを複数用意した。
 検知用のビットを利用し、ビットの摩耗は高い精度で管理する。ビットは総計1100個以上になるという。かき込んだ掘削土を搬送するスクリューコンベヤーは2段式で、耐久性の高い耐摩耗性鋼板を使った。
 品川~名古屋間は、施工難度が高い南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅などから施工に着手している。(仮称)神奈川県駅(相模原市緑区)の先から西側の第二首都圏トンネルや、名古屋駅(名古屋市中村区)の東側までなど、首都圏、中部圏の都市部は大深度地下にトンネルを築造する。既に設計・製作中のマシンは別にもある。
 JR東海は29日、神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所で完成したマシンの見学会を開いた。JR東海中央新幹線推進本部の吉岡直行担当部長は「都市部のシールド工事を始める。今まで以上に力を尽くす」と掘削開始に意欲を示した。その上で「地上への影響がない一方で、固い地盤と高い水圧の中を頑強なシールドマシンで掘っていく。厳しい工事になるかもしれないが、万全の準備をしたい」と語った。

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