BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・127/樋口一希/三菱電機のビル内ダイナミックマップ  [2020年3月5日]

モビリティの移動に合わせたアニメーションライティング

 三菱電機は、ビル内ダイナミックマップ(※)を用いて、清掃・警備・配送・案内用サービスロボットや次世代型電動車いすなどのパーソナルモビリティの各種モビリティとエレベーターや入退室管理システムといったビル設備を連携制御する技術を開発した。

 □実用化によりビル管理の省力化と人とロボットが安心に共存するスマートビルの実現に貢献□

 ビルの付加価値向上に向けた取り組みとして、清掃・警備・配送・案内用サービスロボットを活用したビル管理の省力化、次世代型電動車いすなどのパーソナルモビリティ利用者のビル内での安心・安全な移動に向けた検討が進んでおり、ロボットが自動でエレベーターを利用し縦横移動する実証実験が行われるなど実用化に向けた動きが広がっている。
 ビル内でサービスロボットなどのモビリティと人が共存するためには人の安全な移動と複数のモビリティの効率的な縦横移動の両立が必要で、目指すべきスマートビルの実現にも不可欠な技術となっている。これによってモビリティと人の効率的かつ安全なビル内縦横移動が可能になり、ビル管理の省力化と人とロボットが安心に共存するスマートビルの実現に貢献する。

 □安全に配慮したロボットの移動を支援するサービスとして2020年度以降の実用化を目指す□

 新規に開発したビル内ダイナミックマップを用いて複数のモビリティの移動管制を実現している。エレベーター利用や狭い通路でのすれ違いにおいて、モビリティ同士が鉢合わせして移動困難となったり、通行禁止区域へ侵入したり、混雑したエレベーターへ搭乗したりすることがないように最適な経路誘導を自動で行う。入退室管理ゲート通行時には、人を優先するようにモビリティへ移動指示を行い、モビリティと人の鉢合わせを防止する。
 複数モビリティの通行タイミングに合わせてエレベーターや入退室管理システムなどを連携制御して、モビリティと人の効率的かつ安全なビル内の縦横移動を実現する。加えてモビリティやエレベーターの稼働状況を記録してビル内ダイナミックマップ上に見える化することによって、ビル内を移動するモビリティが故障で停止した時などの位置情報も一目でわかり、ビル管理者の業務負荷を軽減することが可能だ。
 モビリティがエレベーターに乗降するタイミングに合わせてエレベーターホールの床面に、写真にあるようにアニメーションライティングによる案内表示を行う。これによってエレベーターホールで待機している人に対して、モビリティが乗り降りすることをあらかじめ知らせることができ、スムーズで安全な人の乗り降りを支援する。モビリティが進む方向を事前に床面に表示することで、見通しの悪い通路や狭い通路などでも、人がモビリティと安全にすれ違えるよう支援する。
 今後はデベロッパーやモビリティメーカーとの共同実証を通じて開発を進め、ビル利用者の安全に配慮したロボットの縦横移動を支援するサービスとして20年度以降の実用化を目指す。

 □建設業としてもBIMデータの優位性を認識し副次的かつ広範囲な利用の可能性を探るべき□

 Googleは地図情報サービスで世界を席巻しているがビル内の3次元マップには未着手だろう。前稿で竹中工務店がBIMデータを活用してロボットが自律走行する「建設ロボットプラットフォーム」を開発したと報告したが、建設業ではBIMデータなどビル内の3次元マップを有する優位性を発揮できるはずだ。
 実用化も進む掃除ロボットには赤外線で障害物を検知するものがある。前面にガラスの間仕切りがあれば衝突する可能性もある。その際にBIMデータに基づくビル内の3次元マップがあれば衝突も回避できる。著作権への対応など課題もあるが建設業としてBIMデータの副次的利用の可能性を探るべきだろう。
 ※ビル内ダイナミックマップ=エレベーターや入退室管理システムなどのビル設備の状態、モビリティの位置情報、通行可能な経路情報などの動的な情報を付加したビル内の3次元地図。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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