論説・コラム

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回転窓/ガーベラに込めた思い  [2020年3月23日1面]

 近所の幼稚園で卒園式が開かれた。「悩みましたが小学生になる子供たちの節目。なんとか開催しようと決めました」。感染症の拡大で卒園式を中止する園がある中で、挙式に踏み切った理由を園長が説明していた▼参加は親だけ、在園児とふれあう恒例の時間は短縮。参加者も式次第も少なかったが、先生からのメッセージ動画を流したり色とりどりの花の鉢植えを並べたりと、園児を明るく送り出そうとする厚意が伝わってきた▼別れと出会いが重なる時期ながら、延期や中止せざるを得ない場は枚挙にいとまない。飾り花や贈答用の花束の出荷がひどく低迷し、花き業界に深刻な影響が出ていると聞いた▼冬の手入れを念入りに施して春の出荷に備えてきた花き農家は少なくない。「花の展示を増やし、市民へも呼び掛けることとします」。ある政令市の市長はインターネット交流サイト(SNS)でつぶやいた▼話を戻すと、幼稚園がたくさん飾ったのは「希望」が花言葉の一つのガーベラ。花言葉にあやかって、来年のこの時期には気持ちを込めた花束を安心して手渡せるよう感染症の一日も早い収束を願わずにいられない。

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