BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・134/樋口一希/センサー・設備制御NWシステムで協働  [2020年4月23日]

要素技術の連携イメージ

 日建設計、協和エクシオ、WHERE、オムロン、神田通信機は、働き方改革や脱炭素社会の実現のために、ワークプレイスの有効利用と室内環境の最適化を目指すクラウドプラットフォームを活用したセンサー・設備制御ネットワークシステムの開発・改善・普及に向けた取り組みを協働で実施していくことに合意した。

 □建築設計など各分野の連携により建築空間をさまざまな側面から統合して全体最適化□

 空調・照明・防犯・防災・日射遮蔽・映像音響などの建築設備では、従来、各システムが独自にセンサーを設置しており、相互無関係に制御されてきた。それに対してより快適に、より効率的に建築空間を運用し、生産性向上や脱炭素化を促進するためには、空間の全体最適化を可能とするシステム開発が必要となる。今回の協創は、ネットワーク、センサー、設備制御、建築設計などの各分野の連携によって建築空間をさまざまな側面から統合し、全体最適化を実現することを目的としている。
 すでに実際のオフィスを利用したセンサー・ネットワークシステムの実証実験を開始しており、今後は設備制御やAI(人工知能)との連携の拡大を図り、実フィールドにおける省エネルギー効果の検証や働き方改革への応用を試行していく。

 □建物オーナーがデータを利用しワークスペースの改善やワーカーの活動支援に活用が可能□

 システムコンセプトは、〈1〉デジタルツインと、〈2〉オープンスタンダードの概念に基づいている。
 〈1〉デジタルツイン(サイバー空間にリアルの物体や事象をリアルタイムな連動性をもって再現するもの)は、センサーが収集した現実世界の情報をサイバー空間で解析し、現実世界の制御へのフィードバックを可能とする。
 〈2〉オープンスタンダードの一つであるAPI(※)は相互接続性・相互運用性を可能とする。
 これらの概念に基づき、建物内にセンシング専用のネットワークを構築、複数センサーのデータをクラウドプラットフォームにアップロード、マッシュアップし、全体最適解を探索するため総体的に解析、設備制御にフィードバック可能な設備制御ネットワークシステムの構築を目指している。
 センサーや設備のマルチベンダー化が促進され、拡張・更新が容易で陳腐化しないシステムの構築が図られると同時に、建物オーナーやユーザー自身がアップロード・マッシュアップされたデータを利用し、ワークスペースの改善やワーカーの活動支援に活用が可能となる。
 ※API(Application Programing Interface)=ソフトウエアやアプリケーションなどの一部を外部に向けて公開することにより第三者が開発したソフトウエアと機能を共有できるようにするもの。

 □人や物の位置情報や利用状況を定量化して空間効率と生産効率を継続的に改善していく□

 人が滞在し、設備制御がなされている空間であれば、人や物の位置情報や利用状況、室内環境を定量化し、これらに応じた細やかな制御が可能となるため、オフィスや学校、病院、工場など多様な建物用途に貢献できる。特にワークプレイスにおける個人の高集中化、コミュニケーションを適正化することで、生産性や健康の向上が期待できるとともに、固定席が排除されることでオフィス効率が向上するため、省エネ、脱炭素化も同時に図ることができる。
 人や物の位置情報や利用状況、室内環境を定量化し、空間効率と生産効率を継続的に改善していくことが可能となると同時に、利用状況や室内環境に応じて細やかな設備制御が可能となる。5社は、協創による実証実験を基に、システムの開発、普及、改善を通して、働き方改革や脱炭素社会の実現に貢献していく。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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