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電気設備工事5社/20年3月期決算/4社が売上高増加、営業利益で明暗  [2020年5月19日3面]

電気設備工事上場大手5社の20年3月期連結決算

 電気設備工事上場大手5社の2020年3月期連結決算が18日に出そろった。電力会社による工事発注の増加や一般向け工事の拡大が追い風になり、関電工ときんでんが売上高と各利益で過去最高を記録した。トーエネックは各利益が過去最高で増収増益、九電工は増収減益。ユアテックは電力工事の受注減少や情報システム関連費用が重なり減収減益となった。21年3月期の業績予想は新型コロナウイルスの影響を受け全社が未定とした。
 連結ベースで見た売上高は4社が増加した。2020年東京五輪・パラリンピック関連やオフィスビルなど一般向けの工事が堅調に進捗(しんちょく)し、手持ち工事を順調に消化した。関電工は、物流施設や首都圏の大型再開発などが、きんでんと九電工は事務所ビルや娯楽施設など一般電気工事の手持ち工事が売上高を底上げした。九電工も過去最高だった。トーエネックは電力関連工事が減少したものの、空調管工事や太陽光発電事業の売電収入が堅調だったことから増加した。
 本業のもうけを示す営業利益は3社が増加、減少2社と明暗がわかれた。九電工は労務費や資機材の高騰を要因に大規模で工期の長い案件の利益率が低下し、前期比で2・0%減少した。
 業績の先行指標になる単体受注高は一般向けの工事が旺盛で関電工、九電工、ユアテックの3社が増加した。九電工は電気・空調衛生が減少したものの、大型の太陽光発電工事の受注を要因に過去最高を記録した。きんでんは大型の太陽光・風力発電所工事を受注した反動から前期比で0・7%減少した。
 今後、首都圏と関西圏で続く大型再開発を背景に市場環境は比較的良好との見方が強かった。だが新型コロナの流行によって先が読みにくくなっている。工事の中止や中断、延期に加え、労務費や資機材費の上昇を懸念材料に挙げる企業もある。
 九電工は「21年3月期は20年3月期並みを目標としつつ、20年度を初年度とする5カ年の中期経営計画や経営基本方針に掲げた取り組みを進めていく」とした。別の会社の広報担当者は「感染症の収束時期が分からず工事現場の稼働や営業活動にも影響が出ている。業績予想を低く算出する可能性もある」と話す。

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