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奥村組、ジャスト/AI活用した下水道管調査システムを開発/画像から劣化箇所抽出  [2020年5月21日3面]

システムを使った調査の流れ

 奥村組と、既存構造物の修繕診断などを手掛けるジャスト(横浜市青葉区、安藤純二社長)は20日、人工知能(AI)を使って下水道管の損傷具合を調査するシステムを開発したと発表した。下水道管内部を撮影した画像からAIが損傷具合などを判定する。技術者が全延長を確認する必要がなくなり、技術者の負担が軽減。調査の報告書に必要な資料はシステムが自動出力するため、報告書作成の手間も削減する。
 開発したシステムは、下水道管渠の詳細調査の手法のうち、広角レンズのテレビカメラ機器で管渠内部を撮影し、事務所で録画映像による損傷判定などを行う「広角テレビカメラ調査」にAIを導入し、技術者の判定結果を高精度に再現した。
 広角テレビカメラ調査は側面や天井を撮影する際にカメラを上下左右に操作する必要がなく、管渠内部をテレビカメラが自走しながら撮影する。損傷判定などの作業を天候の影響を受けない事務所内で行える利点があり、今後主流となることが見込まれるという。
 今回開発したシステムの適用対象は管径200~800ミリの鉄筋コンクリート管と陶管。広角テレビカメラで撮影した動画を既存ソフトで展開画像に変換・画像分割しシステムに入力する。画像をAI解析し、取付管の位置、管のジョイント位置などの管構造情報と、損傷情報を1スパン(約30メートル)当たり15秒程度で取得する。
 AIが損傷箇所を抽出するため、技術者が損傷箇所を探す手間が削減する。余剰の時間をシステムが自動出力した、損傷情報を付記した展開画像、管構造情報と損傷情報のリストの確認に充てられるため、損傷判定精度の向上が見込める。 今後はシステムを実際の調査業務に適用して効果を検証する。適用できる管の種類や管径なども拡大できるよう機能向上を目指す。
 奥村組によると、標準耐用年数の50年を経過する老朽下水道管渠が増加しており、それに伴い下水道函渠の修繕・改築などの老朽化対策の要否を判断するために行う詳細調査のニーズが増えることが予想されるという。一方で労働人口の減少により調査・診断業務を行う熟練技術者が不足しており、少人数で効率的に調査できる手法が求められていた。

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