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発注者の工期設定、5割が「短すぎる」/週休2日確保にしわ寄せ/日建連会員調査  [2020年5月22日1面]

 発注者の工期設定は短すぎる-。日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)が会員企業を対象に実施したアンケートで、発注者の工期設定に対して5割近くの現場が「短すぎる」と回答した。「施工条件が不確定」「現場状況から工事着手できない」といった理由から、工期の確保に苦労している現場の窮状を訴える意見が目立った。短すぎる工期によって休日確保へのしわ寄せや効率的な施工に支障が生じるなど、現場運営を円滑に行う上で発注者の工期設定の在り方が問われている。
 14日にスタートした国土交通省地方整備局など公共発注機関との意見交換会でアンケート結果を示し、適切な工期設定と入札公告段階での条件明示の徹底を求めている。
 受注した工事の工期設定について41社を対象に調査し、1286現場から回答を得た。発注者別にみると、工期が「短すぎた」と回答した割合は▽国(河川・道路)52%▽国(港湾・空港)38%▽道路関係会社47%▽機構・事業団64%▽地方自治体46%。全体の48%が発注者の工期設定に不満を持っている実態が浮き彫りになった。
 各地の意見交換会で日建連は、工事に関係する地元協議や近隣住民への説明会で反対意見が出ていることや、工事範囲内に地下埋設支障物があるといった条件明示がないことから、工事の一時中止が発生した事例を紹介。当初計画していた工程が大幅に遅延し、実工程の変更を余儀なくされたケースが相次いでいると訴えている。
 18日の関西地区の意見交換会で近畿整備局は、工期の適正化に向けた取り組みに言及。工事契約後の1回目の打ち合わせで、発注者が作成した工事の進行計画で懸案事項の具体的な対応状況や処理期限などを明示した「工事発注時チェックシート」を開示していると説明した。
 日建連は、初期段階から工程上の課題の把握や対応策の多面的な検討ができ、施工時のロスを最小限にとどめることができると取り組みを評価。近畿整備局は対応強化に向け、前段階の入札公告時にチェックシートを開示可能かどうか検討するとの方針を示した。
 関東と北陸、近畿、四国の各地方整備局では入札公告時に、関係機関との調整や住民合意、用地確保、関連工事の進捗(しんちょく)状況、完了見込み時期、施工パーティー数など、工程の遅延リスクに関わる前提条件を記載した概略工程表を開示している。
 日建連は概略工程表の開示があった工事は開示がない工事に比べ、4週8休で休日を取得できた現場が多いとの調査結果を提示。他の発注機関にも概略工程表の導入を求めていく。

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