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セメント関連4社/20年3月期決算/内需低迷響き全社が減収  [2020年5月28日3面]

セメント大手4社の20年3月期連結決算

 セメント関連大手4社(太平洋セメント、三菱マテリアル、住友大阪セメント、宇部興産)の2020年3月期連結決算が27日出そろった。2020年東京五輪・パラリンピックや東日本大震災の復旧・復興に関連する需要の終息に加え、人手不足などに伴う工事の遅れなどで国内需要が停滞した結果、全社が減収となった。営業利益は原材料価格の低下などを背景に2社が増益となった。21年3月期の業績予想は新型コロナウイルスの影響を理由に2社が開示を控えた。
 最大手の太平洋セメントは、国内販売量が前期比5・1%減の1447万トンとなり、国内売上高も197億円の減収となった。海外売上高は16億円の増収。米国で生コンクリート価格が上昇、中国もセメント販売量の回復した。2・5%の減収となった住友大阪の国内販売量は1・8%減の876万トン。宇部興産や三菱マテリアルもセメント販売数量減が響き、セメント関連部門の売上高は前年実績を下回った。
 前期比8・8%増の営業増益となった住友大阪セメントは石炭、石油価格の下落などで生産コストが抑えられ、減収分をカバーした。リサイクル手数料の増加や販売価格の引き上げなどもプラスに働いた。値上げ活動は前期末で完了している。宇部興産も「石炭価格が下がったことによるプラス要因があった」(担当者)としている。
 21年3月期の業績見通しは、太平洋セメントと宇部興産が減収営業減益を予想。太平洋セメントは営業利益で9・6%減を見込んでいる。三菱マテリアルと住友大阪セメントは、新型コロナの影響で合理的な算定が困難とした。
 国内セメント市場は、都市部の再開発事業や防災・減災対策などで、一定水準の需要が見込める。ただ新型コロナの流行で景気の先行きは不透明。建設工事の中断・延期や中長期的な投資抑制が広がると、セメント需要も影響を受ける。各社が注力するセメントの輸出や海外での事業も先を読むのは難しい。生産、営業の両面で万が一の事態に備えた対応を検討しながら物流・商流改革も推進し、より足腰の強い経営体質を築く必要がありそうだ。

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