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東急、首都高速会社ら4社/鉄道版インフラドクターを実用化/トンネル目視検査8割減  [2020年6月5日4面]

鉄道台車に乗せた移動計測車両

 東急と伊豆急行、首都高速道路会社、首都高技術(東京都港区、小笠原政文社長)の4社は4日、伊豆半島を走る伊豆急行線のトンネル検査に3D点群技術と位置情報を駆使した鉄道保守管理システムを本格導入すると発表した。点群データや画像から浮き、剥離のあるトンネルの壁面を抽出し、打音調査が必要な箇所を絞る。近接目視で必要な検査日数を約15日から3日まで約8割減らせ、検査費用も約4割削減できる見込み。鉄道に特化した技術開発をさらに進める。
 首都高技術と朝日航洋、エリジオンの3社が共同開発した首都高速道路に適用している道路維持管理システム「インフラドクター」の鉄道版(鉄道版インフラドクター)として実用化した。2018年9月から実証実験を行っていた。伊豆急行線(伊東~伊豆急下田、45・7キロ)にあるトンネル31カ所・約17キロに適用する。
 レーザースキャナー、高解像度カメラを備えるモービル・マッピング・システム(MMS)を鉄道台車に乗せ、けん引しながら線路上を走行させ、3D点群データや画像データを取得する。打音調査が必要な箇所は、自動作成されるトンネル展開図に示される。人が調査する対象が減り、労力、コストを縮減できる。
 点検結果はシステム上で管理でき、結果の整理や次回の検査の準備を効率化できる。図面、点検、補修の各データは一元管理が可能。建築限界の確認、寸法の計測なども行える。画面には壁面の変状箇所を示す。任意の断面のCAD図面、3Dモデルを自動作成でき、劣化の診断や予測に役立つ。施工機械の3Dモデルを組み合わせれば、施工のシミュレーションも実施できる。
 伊豆急は20年に1回の大規模なトンネル詳細検査を行っている。人が壁面の目視点検、打音調査、展開図の作成を担っており、人的な負担が大きい。鉄道版インフラドクターの導入で、省力化だけでなく検査精度の向上や技術継承の促進といった効果も出る見通し。鉄道構造物に利用する実証実験は東急田園都市線でも行った実績がある。建築限界の自動抽出技術などの開発を進め、鉄道事業者への採用に弾みを付ける。

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