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清水建設/コンクリ充てんシミュレーションシステムを実用化/打設計画を最適化  [2020年6月5日3面]

シミュレーション結果(配筋や型枠の状況)

コンクリートの充てん状況のシミュレーション結果

 清水建設は4日、型枠内のコンクリート充てん状況が事前評価できるシステムを開発し、実工事に適用したと発表した。コンクリートの打ち込み位置やバイブレーターの挿入位置などを設定すると、型枠内でのコンクリートの挙動が3Dアニメーションでシミュレーションできる。実工事への適用ではシミュレーション結果を基に、コンクリートの物性と打ち込み・締め固め方法の最適な組み合わせを検討。結果を施工計画に反映した。
 充てんシミュレーションシステムは、バイブレーターを使ったコンクリート打設計画の実効性を事前評価する。型枠に打ち込むコンクリートの配合や位置、バイブレーターの挿入場所、振動時間などの最適な組み合わせを、実大試験施工に頼らずに検証できる。
 まず実際の型枠や鉄筋の3D図面をシミュレーションソフトに入力し、モデル化する。次にコンクリートの打ち込み位置やバイブレーターの挿入場所・振動時間を任意に設定・入力すると、型枠内でのコンクリートの流動挙動をシステムが解析する。解析結果は3Dのアニメーションで可視化。バイブレーターによる締め固めの効果が一目で確認できる。
 システムを適用したのは「東北中央自動車道東根川橋上部工工事」(国土交通省東北地方整備局発注、福島県伊達市)。コンクリートの部材厚が最も薄く、鉄筋やPCケーブルのシース管が集中配置される主桁ウェブ部を対象に、コンクリートの充てんシミュレーションを実施した。結果を基に高密度配筋コンクリート(3035立方メートル)の打設計画を最適化し、円滑な打設につなげた。
 同社によると阪神淡路大震災以降、土木構造物の耐震性能に対する要求水準が引き上げられ、鉄道・道路高架橋などを中心に配筋密度の高いコンクリート構造物が増加しているという。配筋の高密度化はコンクリートの流動性の阻害要因となる。コンクリートが十分に充てんできるか事前に検証する必要があり、手間や時間が負担だった。

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