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土木学会/メンテ鉄道特別委が報告書/インフラ健康度「おおむね良好」  [2020年6月5日1面]

 土木学会(林康雄会長)のインフラメンテナンス(鉄道)特別委員会は、鉄道分野の構造物の劣化状況や管理体制の在り方などを示した報告書をまとめた。全国の鉄道事業者を対象に行ったアンケート結果を基に、インフラ(橋梁、トンネル、軌道)の健康診断を実施。構造物の健康(健全)度と維持管理体制の総合評価は「おおむね良好な状態」とした。軌道の健康度のうち、地方鉄道など輸送密度が低い線区は要警戒レベルにあり、管理体制の改善がなければさらに悪化する可能性があると警鐘を鳴らした。
 昨年8月から活動を開始した特別委はJR各社と民鉄、地下鉄、第三セクター、貨物鉄道169社を対象に、鉄道インフラの健康度や施設の維持管理体制でアンケートを実施した。
 152社の回答結果を踏まえ、インフラの健康度を損傷の割合などから5段階、維持管理体制を予算や人員、人材育成・技術開発の観点から3段階で評価した。
 鉄道事業者を大手、準大手、中小といった三つのカテゴリーに分けたインフラ管理の傾向も分析。大手・準大手を中心とした二つのグループの総合評価ではすべてのインフラの健康度は2番目に評価の高い良好レベルにあり、維持管理も現状の体制を続ければ健康度も改善が見込めるとした。
 地方の中小民鉄などのグループは橋梁・トンネルの健康度は2グループ同様に良好だった。軌道については2番目に評価の低い要警戒レベルとした。現状の維持管理体制は橋梁、トンネル、軌道のすべてで健康度が悪化する可能性があり、体制を強化・充実する必要があると指摘した。
 健康診断の結果を踏まえ、将来の鉄道インフラメンテナンスや事業運営では鉄道事業者だけでなく、国や沿線自治体など関係者が一体で取り組む必要性などを提言した。
 特に沿線人口の減少が進む地方部などでは、必要に応じて管理・サービスレベルの見直し、公的支援の充実のほか、事業継続の可否や交通モードの転換などを検討することも提案している。

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