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国交省/東日本大震災後の市街地復興事業を検証/21年3月にガイダンス策定  [2020年6月29日1面]

北村知久都市局長

 国土交通省は東日本大震災で講じた防災集団移転促進事業など「市街地復興事業」の成果を検証し、復興街づくりの実効性を高める。住宅供給や安全な拠点形成の早期実現といった効果や、事業活用と復興の状況などを資料集にまとめる。既存の「津波被害からの復興まちづくりガイダンス」もブラッシュアップし、大規模災害の発生に備えた事前防災や復興事業の在り方を反映する。資料集もガイダンスも東日本大震災から10年の節目となる21年3月の策定を目指す。
 有識者や自治体の都市整備担当者などで組織する「東日本大震災による津波被害からの市街地復興事業検証委員会」(座長・岸井隆幸日本大学理工学部土木工学科特任教授)の初会合を26日に東京都内で開いた。冒頭、北村知久都市局長は「東日本大震災の復興の過程から、制度上の工夫やノウハウで学び取れるものを検証していきたい」とあいさつした=写真。
 市街地復興事業は、東日本大震災の被災地で展開した▽防災集団移転促進▽土地区画整理▽津波復興拠点整備-の3事業が対象。特例措置や人的支援などで被災自治体の取り組みを強力に後押ししてきた。
 初会合では市街地復興事業による住まい再建と街の再生の2分野で効果を確認した。いずれも短期間で宅地造成ができ、被災者の生活再建の早期実現や安全な市街地の形成など一定の成果があった。ただ事業完了地域では人口減少への対応や空き区画の発生などが課題。街づくりの過程で住民の意見を反映する時間が十分に確保できないという指摘もある。
 検証結果も踏まえ復興街づくりの中で早期の生活再建と、被災した住民意向の反映をバランス良く実現する方策を探る。16年5月に策定した津波被害からの復興まちづくりガイダンスも見直す。市街地復興事業で得た成果やノウハウ、課題解決策、今後の大規模災害に生かす教訓などを盛り込む。
 市街地復興事業は被災3県(岩手、宮城、福島)の410地区で実施され、うち399地区が完成した。東日本大震災の復興・創生期間(16~20年度)の最終年度となる本年度末にすべて完了する見込みだ。

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