論説・コラム

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回転窓/ダムの役割  [2020年7月9日1面]

 頻発する豪雨災害を受け、今年の出水期はダムの治水機能が強化された。水力発電や農業用水などを目的とする「利水ダム」を、洪水対策に活用する協定をすべての1級河川で締結。大雨の洪水調節に使える貯水容量が2倍に増えた▼既存の枠組みにとらわれず、防災・減災の取り組みを再考する国の動きも活発化。管理者主体の従来の治水対策から、国や自治体、企業、地元住民など河川流域の関係者が協働して被害軽減に取り組む「流域治水」への転換を掲げる▼ハードとソフトが連動した施策を講じても、激甚化する自然災害による被害をゼロにすることは難しい。球磨川の氾濫で甚大な被害が発生した熊本県など、先週末から豪雨被害が各地で相次ぐ▼かつて球磨川支流で計画が進められていた川辺川ダム。建設を反対する流域市町村の意向を受け、2008年に知事が計画の白紙撤回を表明した。結果論だがダムが建設されていればと思った方も少なくなかろう▼ダムに代わる治水対策を検証する必要性を指摘する声もある。被害規模が大きくなっている災害を想定外で終わらせては、地域の安心・安全は決して守れない。

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