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大林組/大分県で地熱発電実証プラント建設着手/水素製造と合わせ、陸送スキームも  [2020年7月10日3面]

地熱発電を利用した電力供給のイメージ

 大林組は9日、大分県九重町で地熱発電実証プラントの建設に着手すると発表した。水素製造実証プラントも併設。地熱発電の電力を使って製造した水素を工場などに陸送するスキームを含めて実証する。大分地熱開発(大分市、中野勝志社長)の協力を得て進める。稼働開始は2021年7月を予定。一連のプロセスを実証するのは国内初という。
 国内における地熱発電の候補地の選定から調査、発電所の建設、発電、水素の製造・供給までの事業化プロセスを検討する。地熱発電の出力は250キロワット。実証時は125キロワットで運用する。1時間当たりの水素製造量は10ノルマル(N)立方メートル。年間走行距離1万キロで1N立方メートル当たりの燃費が14・8キロの燃料電池車で約20台分に相当するという。
 実証ではバイナリー発電機を利用した地熱発電実証プラントの設計や建設、性能検証を行う。水素製造実証プラントには、大林組が開発した複数の運転モードを備えたプラント向けエネルギー・マネジメント・システム(EMS)を利用。最適な水素製造プロセスを検証する。水素搬送車両に装着した衛星利用測位システム(GPS)端末から搬送状況を把握。車両の発着スケジュールに合わせてプラントを効率良く連続運転できるよう制御する機能も搭載する。
 製造した水素は地元の工場に搬送。燃料電池フォークリフト用燃料など地域のエネルギー資源として有効活用する。研究パートナーも広く募り、地熱発電電力や水素の活用方法を検討していく。
 水素は利用時に二酸化炭素(CO2)を排出せず、大容量の貯蔵が可能。特に再生可能エネルギーを利用して製造するCO2フリー水素は、環境負荷の低減やエネルギー自給率の改善に大きく貢献するとしている。大林組はニュージーランドでも地熱発電の社会実装研究に取り組んでおり、その知見も活用する。

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