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大成建設/トンネル前方の湧水測定技術を開発/削孔管引き抜かずに崩落リスク回避  [2020年7月15日3面]

従来手法と比較して、安全で効率的に湧水測定が可能になる

 大成建設は山岳トンネル工事の調査ボーリング削孔中に遭遇した湧水帯の水量や水圧を安全で効率的に測定する技術を開発した。削孔管を引き抜かずに湧水を測定することで孔壁崩落を回避する。従来方法と比較して測定にかかる時間が20%削減できるという。
 開発した「T-DrillPacker(ティー・ドリルパッカー)」ではトンネル前方に向かって水平ボーリングを実施する時、削孔管を引き抜かずにパッカーを挿入する。ボーリング削孔を継続しながら湧水対の状況を把握できる。
 測定に当たっては、アウタービットとインナービットの二重構造になったビットを先端に装着したボーリング削孔管を使う。二重ビットで湧水帯まで掘り進めた後、内側のインナービットを回収。削孔管を残したままインナービットを抜いた穴から拡張パッカーを挿入し、パッカーを使って湧水を回収。圧力計で湧水を測定する。
 ボーリング削孔途中でインナービットの回収とパッカーの挿入を迅速に行えるため、削孔管を全て引き抜いた上で湧水を測定する従来手法と比較して作業時間が20%削減する。測定完了後はパッカーを収縮して引き抜き、インナービットを再度先端に装着することで削孔を継続できる。その後も施工手順を繰り返せば効率的に湧水量や水圧を測定できる。
 山岳トンネル工事で湧水が想定される場合、調査ボーリングで前方の湧水帯の位置や湧水量、水圧などを把握し、湧水対策を行う。従来の湧水測定は削孔管を引き抜いた後、パッカーを先端部分まで挿入し、膨張させて止水することで湧水帯の状況を計測していた。ただ従来の方法では削孔管を引き抜いた時、地中に空洞ができて孔壁が崩壊するリスクもあった。作業効率も悪く時間がかかることが課題だった。
 技術センター社会基盤技術研究部の山本肇地盤研究室長は「ティー・ドリルパッカーの活用で水圧測定のハードルが下がることで、トンネル掘削スケジュールの正確な見通しを立てられるようになる」と話している。

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