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東電PGら10社/災害時の連携強化/仮復旧工事手順や工具統一、施工者と共同訓練も  [2020年7月15日4面]

マルチホットハグラーの使用イメージ

 東京電力パワーグリッドなど一般送配電事業者の10社は、仮復旧工事など災害時の連携を一段と強化する。被害の把握・共有、工事方法などを統一し、施工者などとの訓練も行う。通電を急いで再開するための仮復旧の作業・手順だけでなく、全国で使える電線被覆剥ぎ取り工具(マルチホットハグラー)をはじめ機材・工具を統一する。緊急復旧に全国で同じ仕様で臨み、停電被害の最小化を目指す。
 復旧工事のうち▽電柱の補強▽高低圧電線の接続▽引き込み線-は復旧工法を統一するためにマニュアルを作る。電柱は副木や腕金などを補強材に位置付ける。高低圧電線の接続と引き込み線は、同種の電線を断線箇所に添えて、締め付け型のコネクタで接続できるようにする。開閉器、変圧器は電線の相互接続や低圧電線を延ばすといった仮復旧の方針を同じにする。各社の工具で電線の被覆を剥ぎ取れるよう、太さの異なる全国の電線で使えるマルチホットハグラーを作製し、配備を急ぐ。
 送電設備の被害や復旧の進展をモバイル端末で管理する環境も整える。一部は対応済みで来夏までに全社で使用する。電源車の情報の共有化と燃料の手配も進める。自治体、自衛隊、施工者、通信事業者などの関係機関とは、道路啓開や活動拠点の確保などについての連携を事例集にまとめる。連携と仮復旧の練度を上げる共同訓練を年1回は行う計画で、2020年は台風シーズンが過ぎた11月の開催を予定。資材の融通、断線した高圧線の仮復旧などの対応をチェックする。
 一連の対応は、記録的な強風や豪雨になった2019年の台風15号、19号の被害を受けた政府の検証結果や課題の指摘を踏まえ、「災害時連携計画」として電力広域的運営推進機関に提出した。被災対応を再点検した上で、復旧を速やかに進めるための被害の把握・共有、復旧、関係機関との連携の改善策を示した。
 台風15号では、「仮復旧工法を原則」とする方針で、被害が集中した千葉県に応援に入った各社の施工班などが緊急工事を急いだ。ただ作業の手順が統一されておらず、現場の判断の遅れや指示の混乱が生じた。東京エリアの電線被覆は、他社の工具で剥ぎ取るのが難しいケースがあった。情報が交錯し、電源車の非効率な運用があった。
 対応する一般送配電事業者は次の通り。
 ▽北海道電力ネットワーク▽東北電力ネットワーク▽東電PG▽中部電力パワーグリッド▽北陸電力送配電▽関西電力送配電▽中国電力ネットワーク▽四国電力送配電▽九州電力送配電▽沖縄電力。

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