論説・コラム

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回転窓/新しい生活様式  [2020年7月29日1面]

 芥川賞作家の青野聰は若い頃、引っ越し魔だった。同じ場所に一年間住むことはなく、すぐに違う場所に居を移した。部屋に飽き、近所の人の顔に飽き、いつもの散歩コースに新鮮味を感じなくなればためらいなく移った▼ただ引っ越しには金銭的な負担だけでなく、家財道具の整理など面倒な作業が伴う。青野は“移動の衝動”について「荷物が少ないという自分の生活スタイルも影響している」としたが、それよりも住む場を選ぶ自由を大切にしたのではなかろうか▼青野は「人はどうしてぶつぶつ言いながら都会の片隅で酸素欠乏に苦しみながら生活しているのだろうか」(日本の名随筆『引越』・中村武志編、作品社)と。現状に満足せず、あの地に行きたいと思えば犠牲を払ってでも行けば良いという▼仕事や家族の事情から、都心を離れられない。そんな話をよく聞く。だが、コロナ禍でテレワークが導入され、仕事の面では課題も解消されつつある▼都心を離れ自然豊かな土地で暮らす。空気がおいしく、のびのびとした環境で子育てをする。日本にはそんな土地がまだいっぱいある。新しい生活様式とはそういうものだ。

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コメント

  • 匿名 より:

    そうなんだあー。新しい生活様式って送いうものなんだあー。テレワーク普及に必死ですね。

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