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大成建設、システム計測/場所打ち杭工法の適用範囲拡大/中層建築にも提案  [2020年7月29日3面]

従来の杭工法と比べ、杭径・杭長ともに約2割縮小でき、敷地の有効活用も可能になる

 大成建設とシステム計測(東京都墨田区、久保豊会長)は、共同開発した場所打ちコンクリート杭工法の適用範囲を広げ、高さ30~60メートル程度の中層建築物でも使えるようにした。これまでは超高層ビルの基礎工事が対象だった。引き抜き抵抗力などの実験を行いベターリビングの評定を取得。中層ビルでも適用可能になった。今後は幅広い建築物を対象に同工法を提案していく。
 19年に共同開発した「T-EAGLE(イーグル)杭工法」は杭にこぶ状の拡径部を2カ所設け、支持地盤に対する支圧面積を増大し鉛直支持力を高める。1本で高い支持力を発揮。従来の杭工法と比較して杭長を短縮したり、本数を削減したりできる。引き抜き抵抗力と鉛直支持力の実験によって合理的な評定手法を確立した。
 同工法では、地中で翼が広がる拡大掘削バケットを使って杭を施工する。杭の引き抜き抵抗力を高めるため、従来の場所打ち杭工法よりも拡径角度を5割程度広げて杭径を約2割縮小。杭長を2割程度短縮する設計を可能とした。杭径が縮小したことで建物からはみ出る突出幅が小さくなり、敷地面積の有効活用につながるという。
 鉛直支持率は中間拡径部と拡底部の直径を最大5・5メートルにまで広げることで杭1本当たりの鉛直支持率を、従来の拡底杭の1・9倍以上となる100メガニュートン(N)以上にまで高めた。拡底杭を2本設けた場合と比較して、1本当たりの掘削土量は3割、工期も2割削減できる。
 都市部では高さ200メートルを超える超高層ビルの計画が相次ぐ。建物を支える基礎杭に求められる鉛直支持力も増大傾向にある。十分な鉛直支持力を得るには杭を多く施工したり、大断面連続壁を構築する地中連壁杭工法で施工したりする方法があるが、大量の掘削残土や工期の長期化が課題だった。

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