論説・コラム

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

回転窓/安全と幸せ  [2020年7月31日1面]

 特別養護老人ホームの入所女性におやつとしてドーナツを与えたことで、女性准看護師が業務上過失致死罪に問われた事件。一審は有罪だったが、東京高裁は28日、逆転無罪を言い渡した▼急変事例で職員が刑事罰を受けるようになれば介護現場は崩壊する-。女性准看護師の支援団体は、そう訴えていた。現場の萎縮につながるとの懸念から、介護の今後を左右する裁判として注目を集めている▼弁護側証人として法廷に立った看護学者は、特養におけるおやつの位置付けを、楽しみやコミュニケーションと証言している。誰にとっても100%安全な食べ物と人生を豊かにするおいしい食事は必ずしも一致しない▼どのような仕事も大なり小なり人の命に関係する。それは非常に重い。とはいえ過度な責任が課せられたり多額なコストがかかってしまったりすると、担い手がいなくなり社会の豊かさが損なわれる▼人が行き来することで活発化する経済活動と新型コロナウイルスを踏まえた自粛のように、社会には相いれない事案が数多くある。明快な答えは無い。だからこそ考え抜いて決断する以外、手だてはないだろう。

コメント

  • 匿名 より:

    どんなに気をつけて生きていても、死ぬときは死ぬ。
    じーーーっと家の中にいてもーだ。人は死なない事だけを暮らしの主軸に置くととてもつまらない人生になる。何のために生きているのか、何のための命なのか、よく考えた方が良い。重篤な病気になって初めて人生の楽しみ方を、今考えている。

  • 匿名 より:

    これは当然の判決だと思う。ドーナツで窒息したから介護側の責任ーといちいち言われていたら担い手はいなくなる。産科の医師が極端に減ったのと同じだ。だが、詰まらせるからと食べ物を全て同じ器に入れて流動食にするのも初めて見たときは驚愕した。栄養のことしか考えておらず、生き物として最低限の食べる楽しみも奪われるのだ。これも相容れない事案だろう。考え抜いて決断するのが、本人であって欲しい。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。