論説・コラム

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回転窓/煮桃と細菌対策  [2020年8月5日1面]

 果物売り場に桃が並ぶようになった。長梅雨の影響で例年より収穫が遅れ、ようやく市場に出回り始めたという。皮をむくだけで果汁が垂れ甘くてみずみずしい桃は夏の果物の代表格だろう▼作家で軍医だった森鴎外は桃を砂糖で煮て食べた。桃だけでなく果物や野菜はほとんど生では食べず、いったん火を通した。野菜などはあまり味付けもせずに煮て食べたという▼鴎外の長女森茉莉は「白いお砂糖の陰の淡緑に透きとおる梅、橙色の杏子、琥珀(こはく)色の水蜜桃、濃い紅色の天津桃、初夏から長い夏の終わりまで、それらのものが次々と父の食膳に上った」(『父の帽子』講談社文芸文庫)と記している▼鴎外が極端に生ものを嫌ったのはドイツ留学が大きく影響している。最先端の細菌学の研究に従事。生ものにいる細菌に対して極度の警戒心を持つようになったからという▼現在、細菌よりも手ごわいウイルスが流行している。手洗いや3密に気を付けても経済活動を継続する限り、感染拡大は簡単には収まらないだろう。火を通してなんとかなる代物でなければ、お盆休み中はおとなしく家に閉じこもるしかない。

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コメント

  • 匿名 より:

    これは人災なのに皆忘れている。自然発生したものではない。中国が隠ぺいし、拡散したものだ。そのせいで世界中が死に体だということを忘れてはならない。

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