BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・146/樋口一希/2社がシンガポール企業組織と連携  [2020年8月6日]

東急建設の寺田光宏社長(右)と創業者のCarl Stephan Gay氏

日本工営の有元龍一社長(右)とチーフ・エグゼクティブ・オフィサーのWong Heang Fine氏

 東急建設と日本工営は、BIM先進国として先駆的な施策を続けているシンガポールに拠点を置く企業組織と連携して、新たなデジタル化事業展開に向けたチャレンジに踏み出す。

 □技術者不足が課題となる中でBIMによるさまざまな設計サービスを顧客へ展開することを模索□

 東急建設は、設計BIMへの対応力を強化し建設生産システムの改革と顧客ニーズに対応するため、シンガポールのBIM設備設計会社「Indochine Engineering Limited」(IES社)の株式を100%取得することに合意したと発表した。
 IES社は、BIMによる設備設計・構造設計を担う企業グループであり、ベトナムとオーストラリアに子会社を有している。ベトナムに所在する子会社「Indochine Engineering Vietnam JSC.」(IEV社)は、エンジニア約80人を擁し、アジア・オセアニア地域を中心にBIMによる高度な設備設計・構造設計サービスを提供している。
 東急建設は施工におけるBIM活用を推進するため、2017年に専門組織を立ち上げたが、BIMの技術者不足が課題となっていた。一方でIES社はさらなる事業拡大を目指し、これまで培ったBIMによる設計サービスをさまざまな地域・顧客へ展開することを模索していた。
 今回の株式取得を契機に、東急建設はBIMに関する高度な技術を有する多くのエンジニアを確保し、IES社は既存の顧客に加え、日本国内および東急建設が展開している東南アジア諸国での受注拡大が見込まれている。

 □SDGsでも協働してスマートソリューション事業などを推進する相互協力に向けた覚書締結□

 日本工営は、シンガポールの都市計画コンサルタント会社「Surbana Jurong Consultants Pte.Ltd.」(スルバナジュロンコンサルタンツ)と気候変動適応・レジリエンス向上・スマートソリューションの都市開発事業を推進するため相互協力に関わるMOU(Memorandum of Understanding)を締結したと発表した。
 スルバナジュロンは、シンガポールを拠点に70年超にわたってスマートシティーを含めた複合都市開発・インフラ開発に関するコンサルティング、エンジニアリング業務を展開し、アジアでの民間開発事業に強みを持っている。一方、日本工営は総合建設コンサルタントとして日本国内の防災関連事業および海外での政府開発援助(ODA)等の政府資金の事業において豊富な経験を有している。
 気候変動の影響により、アジアを含む世界各国で防災を含めた都市のレジリエンスに対するニーズが増している。SDGs(持続可能な開発目標)にも定められているように、増大する自然災害の脅威への対策は世界的な課題となっており、継続的な開発を担保するにはスマートソリューションによる都市課題の改善が必要となっている。
 これまでスルバナジュロンとは協働で、アジア地域のスマート化による都市課題改善の検討・提案および気候変動適応やレジリエンスの向上における協力を進めている。今回のMOU締結ではそれらの取り組みをさらに強化し、全世界における気候変動、レジリエンスおよびスマートシティー分野を含めた持続的な都市開発の事業展開での協力に合意している。
 両社の連携によって、官民連携による持続可能な開発事業形成が見込まれるアジアを中心に世界規模で事業を推進し、SDGsの達成に貢献することを目指していく。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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