BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・148/樋口一希/建築現場での「人」の活動に焦点  [2020年8月27日]

建築現場のデジタル変革に向けた取り組みの目的(概要イメージ図)

 竹中工務店とNTTドコモは、建築現場における「人」の活動に焦点を当て、生産性向上を目的にしたデジタル変革の共同検討に着手することに合意した。

 □「人」に関するIoTデータを蓄積し将来の建築現場に活用することで生産性を持続的向上□

 両社は、建築現場における「人」の活動や建築現場という「協働」の場での情報伝達をデジタル技術で支援することによって、「デジタル技術を活かした建築現場の業務改革」による生産プロセスの最適化を実現する。加えて建築現場の工事計画や工事管理などの業務データやバイタル、歩数、位置データなどの「人」に関するIoT(モノのインターネット)データを蓄積し、将来の建築現場に活用することで、生産性の持続的向上を図るとともに、建築現場の最前線での働き方の新しいスタンダードモデルの構築を目指す。

 □デジタル変革の推進へのワーキンググループを設置してIoT・AI・XRなどの知見を連携□

 近年、建設業界では建物の設計・生産・運用段階に至るまでBIMに象徴されるデジタル技術の活用が拡大している。一方、生産の最前線である建築現場では個人のスキルやアナログなコミュニケーションに依存しており、デジタル技術の活用は限定的となっている。
 今後、両社は現場起点のデジタル変革の推進に向けた各種ワーキンググループを設置し、竹中工務店が有する建築現場の知見とNTTドコモが有するIoTやAI(人工知能)、XR(クロス・リアリティー=VR〈仮想現実〉、AR〈拡張現実〉、MR〈複合現実〉などの総称)などの知見を連携させていく。建築現場の課題に対しては、優れたソリューションを有するスタートアップ企業などとの連携や業界全体への働き掛けを進め、建設業界全体の生産性および安全性向上と魅力向上に資する取り組みを推進する。

 □個人やアナログなコミュニケーションスタイルに依存する業務形態をデジタルにより変革□

 建築現場のデジタル変革に向けた取り組みについては、従来の建築現場における個人スキルへの依存やアナログなコミュニケーションスタイルに代表される業務形態をIoTやデジタル化により変革し、生産プロセスを最適化させることで生産性の持続的な向上を図っていく。
 「協働」の支援については、これまで対面で行われていたコミュニケーションをデジタル技術によって実施する。時間と場所に制約されないフレキシブルな働き方については、従来の対面型・集合型の情報伝達に対し、デジタル技術を活用した情報伝達の手法を組み込むことで時間や場所の制約を減らし、生産性を向上させる。
 安全に対する意識と知識を高め合う働き方については、建築現場における安全活動をデジタル技術で支援することで、作業員の安全意識や知識を向上するなど安全活動を活性化し、より安全な建築現場を実現する。リアルタイムな工程間の連携による無駄のない働き方については、スマートフォンを介して、工程計画や進捗(しんちょく)、資材搬送情報などを異なる職種間でリアルタイムで共有することにより、工程間の連携を強化し、ムダの少ない働き方を実現していく。
 「個人」の活動支援については、個々の役割や状況に応じた情報の入手や記録などの活動をデジタル技術で実施する。デジタルアシスタントに支えられたプロフェッショナルな働き方を実現するために、個々の役割や状況に応じて時間や場所を問わず必要な情報にアクセスできるようにする。
 工事を遂行する上で確実な実施が求められる段取りなどのタスクを支援し、手配漏れなどによる待ち時間の発生や工程遅延のない高効率な生産工程を目指す。
 個人のバイタルデータなどを蓄積し、健康状態や作業効率を本人にフィードバックすることで、個人のパフォーマンスの持続的な維持・向上を可能にする。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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