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土木学会建設用ロボット委/全国大会で研究討論会開く/コロナ時代の活用促進策議論  [2020年9月14日2面]

 土木学会の建設用ロボット委員会(建山和由委員長)はオンライン開催の「2020年度全国大会in中部」で11日、研究討論会を開いた。テーマは「建設ロボットの開発、導入、活用促進のための課題と対策~コロナ時代の建設施工の在り方を考える~」。ゼネコンや建機レンタル、建機メーカー、通信事業者らの第一人者が話題を提供。建設ロボットの開発から運用に至るプロセスで共通となる課題や問題点を抽出するとともに、活用を促進するための方策を議論した。
 ウィズコロナ、アフターーコロナの建設施工の在り方の一つの方向性として、少ない人数や遠隔地から施工できる自動化機械や建設ロボットの導入機運が高まりつつある。一方で技術的、経済的、体制的な課題は少なくない。討論会では、建設ロボットの導入や使用時の安全に対する法規制の在り方、次世代無線通信技術など共通基盤的な技術の共有化、オープンイノベーションを醸成する体制構築などが課題として挙がった。
 建機の遠隔操縦などに欠かせない第5世代通信規格(5G)に対し、大林組の古屋弘氏は「情報のやりとりの質を高めるには、上り(アップリンク)の性能改善が求められる」と指摘。ソフトバンクの小池勝矢氏は「下り(ダウンリンク)に耐久が割かれている。通信事業会社全体の取り組み課題だ」と受け止めた。
 清水建設の小島英郷氏は「重機接触災害がいまだになくならない中で、ロボットの事故発生時の責任や保険制度、接近作業のルール化などが必要だ」と訴えた。コマツの大井健氏は「おそらくISOなどで規定されていくだろう。規制が開発より後からできると困る。動向を取り込みながら開発を進めたい」とした。
 国土交通省の渡邉賢一氏はロボット活用支援施策を紹介。先端建設技術センターの宮武一郎氏は「活用範囲を広げていくには、現場での創意工夫が求められる」とした。西尾レントオールの山口秀樹氏は「臨機応変に対応するには、レンタルだけでなく、商品開発も同時にやっていかないといけない」と強調した。
 東京大学の永谷圭司氏は開発速度を上げ、コストを下げるために競争領域の間に協調領域を設けることを提案。「企業のアイデアやノウハウをどこまで出せるか、きちんと設定しなければならない」と述べた。鹿島の三浦悟氏はこの考えに賛同し、「非競争領域をみんなで作り上げることが重要だ」と述べた。芝浦工業大学の油田信一氏は「協調領域を作り上げた上で学の役割が出てくる」とした。
 建山委員長は「建設改革で一番大事なのは現場の課題を明確にし、解決に向けた方法を検討することだ。その実現のためにICT(情報通信技術)や建設ロボットの活用を模索しなければならない」と総括した。

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