論説・コラム

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回転窓/世界ブランドに挑む  [2020年9月14日1面]

 「われわれの仕事にこれで十分ということはない」。8月13日に亡くなった建築家の中村光男氏(元日建設計社長)が生前に話していた言葉だ▼創業104年を迎えた2004年、伝統企業のさらなる飛躍を託され社長に就任。経営基盤の拡充を実現していくには難しい時代だったが、人事制度や組織の改編、グループ経営の強化などの改革に力を注いだ▼07年からの3カ年計画に沿った経営ビジョンでは「世界のブランディング」を大きな柱に据えた。欧米などの設計事務所と比べても十分に競争力が発揮できるとの強い信念を原動力に自身も世界中を駆け巡り、NIKKENを世界ブランドに成長させた▼環境が変化する中、時代と社会の情勢をしっかりと捉えるのは極めて難しい。毎年恒例になっていた年始のトップインタビューで、日建グループが発展していく道筋と展望を明確に語る姿がとても印象に残っている▼建築設計・監理業務を中核としながらも今後の成長が見込める分野・領域に挑戦し続けた中村氏。「私たちの仕事は生涯を懸ける価値が十分にある」と、後進に空から温かいまなざしを向けているはずだ。

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