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ピーエス三菱/半断面床版取替工法を本格適用/1車線通行を維持して施工  [2020年9月14日3面]

PCaPC床版の設置状況

MuSSL工法の継ぎ手部分

 ピーエス三菱は、道路橋の床版を1車線ごとに取り換えることができる「半断面床版取替工法」を、岡山県内で施工中の現場に本格適用した。高耐久継ぎ手構造を取り入れたPCa(プレキャスト)PC(プレストレストコンクリート)床版や、PCa壁高欄など施工効率化技術も合わせて導入。片側2車線のうち1車線の通行を維持しながら、順調に施工を続けている。
 対象工事は、西日本高速道路会社発注の「中国自動車道(特定更新等)大谷橋他2橋床版取替工事」。施工対象となる三つの橋うち、大谷橋の上り線と下り線に取り入れる。上り線と下り線との間に高低差があることや、ICが近接していて通行止めが難しいため、同工法が採用された。同工法は、高速道路会社3社(東日本、中日本、西日本)と高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)、同社の5社で共同開発した。1車線の通行を維持しながらの施工は今回が初めて。
 PCa床版にプレテンション構造を採用することで門型架設機による施工を可能にしている。縦目地部にプレストレスを導入して耐力を確保することで、新たな桁(ストリンガー)を設置することなく、通常の床版と同等の疲労耐久性能を保有できる。
 円形ナットの支圧力を活用する継ぎ手やあご付き形状版により、耐久性と施工性を高めたPCaPC床版高耐久継ぎ手構造「MuSSL(マッスル)工法」も適用した。狭いスペースに設置可能な支柱式の仮設防護柵も取り入れた。床版と壁高欄を一体化した「PCa壁高欄」も一部に導入し、現場でのコンクリート打設を極力減らしている。
 大谷橋の橋長は106・5メートルで、計53枚のPCa床版を使用する。既存の橋桁の高さを考慮してPCa床版の厚さなどを決めたという。施工では、路面切削後に、既設床版を切断し、門型架設機を搬入する。その後、順次既設床版を撤去し、PCaPC床版を据え付けていく。今回は、1日3枚の既設撤去と新設架設を繰り返している。
 上り線の追い越し車線が完了済み。現在は上り線の走行車線を施工中で、接着剤塗布とPC鋼材の1次緊張によって追い越し車線部と一体化する。間詰め部分の打設後に2次緊張する流れとなる。12月までに上り線を完了させ、2021年に下り線を施工する。全体の工期は22年5月15日まで。
 ピーエス三菱は、通行止めが難しい橋梁で同工法のニーズがあると見ており、「さらにブラッシュアップして実績を重ねていく」としている。

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