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土木学会/インフラメンテのオンライン講座、11月16日に開講/統合委が専用HP  [2020年9月15日2面]

 土木学会(家田仁会長)は老朽化したインフラ施設の効率的な維持・管理に向け、産学官民の連携体制の構築に乗りだす。少子高齢化によりメンテナンスを担う人材不足が深刻化する中、住民や建設業、行政などさまざまな主体による協働型の取り組みが不可欠と判断。学会が各主体を結び付ける役割を担い、積極的な情報発信に力を入れる。情報発信の一環として地方インフラを対象としたメンテナンス講座の初弾を、11月16日にオンラインで開催する予定だ。
 土木学会は本年度から、インフラメンテナンスの関連委員会を統合し、会長が委員長を務める「インフラメンテナンス総合委員会」を常設した。インフラメンテナンスへの戦略的取り組みを重点課題の一つに設定。インフラメンテナンスの意義を広く市民に伝え、身近なインフラに関心や愛着を持ってもらい、市民との協働によるインフラメンテナンスを実現するための方策を検討している。
 11月にスタートさせるオンライン講座はこの一環となる。初回の登壇者は家田会長をはじめ、三木千壽東京都市大学学長、末松則子三重県鈴鹿市長、熊本県玉名市の職員で「橋梁補修DIY」に取り組む木下義昭氏ら。2回目はインフラの健康診断、3回目はインフラメンテナンスの技術や制度、4回目は市民協働や人材育成がテーマとなる。視聴無料。委員会の専用ホームページを開設した。インフラメンテナンスに関わる地域の困りごとを受け付ける相談窓口を設けている。
 7~11日にオンラインで開催された全国大会でもインフラメンテナンスが議題に挙がった。最終日の研究討論会で、岩城一郎日本大学工学部土木工学科教授はインフラメンテナンスを医療に例え、「患者がいながら医師や医療費が不足し、カルテもない状況。高度な医療を受けられない自治体の橋梁こそ、予防医療(予防保全)が必要だ」と危機感を示し、産学官民連携の必要性を訴えた。
 岩城教授は、住民との協働による橋の維持管理手法として、輪番制で排水溝の清掃や堆積土砂の撤去、欄干の塗装に取り組む「橋の歯磨きプロジェクト」、橋の異常を感じた際、役場に通報する「橋の119番」、簡易のチェックシートを用いた「セルフメンテナンス」といった活動を紹介。現在13市町村でこのモデルが展開されており、「全国で取り組みが広がっている」と活動の意義を強調した。

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