BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・151/樋口一希/鴻池組が建設現場でのMR活用に注力  [2020年9月17日]

Trimble XR10を利用し杭伏図をMRで表示している様子(左)と、MR映像を確認しながら杭芯出しをしている様子

 鴻池組とインフォマティクスは、施工のさらなる高度化と生産性向上を図るため建設現場におけるMR(Mixed Reality=複合現実)関連の技術開発で連携することで合意した。

 □MR関連の技術開発で連携+建設分野でのMR技術の開発と普及に向けた取り組みを開始□

 建設業界においては働き方改革や生産年齢を中心とした人口減少による人手不足などによって生産性の向上が急務となっている。鴻池組では、それらの課題解決と施工のより一層の高度化を実現するため、ICT技術で幅広い実績を持ち、以前から技術的協力を行ってきたインフォマティクスとMR関連の技術開発で連携し、建設分野でのMR技術の開発と普及に向けた取り組みを開始する。
 今後は建設中の新研究施設「(仮称)KONOIKEテクノセンター」の基礎工事フェーズから完成後の運用フェーズに至るまでインフォマティクスの「GyroEye(ジャイロアイ)Holo/HoloLens 2」で開発中の最新機能などを最大限活用し、そこで得られる知見や技術情報などをさまざまな取り組みにも応用、建設現場におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させていく。

 □BIM/CIMデータの展開が可能になるなどさまざまな面で現場への展開が現実的なものになった□

 インフォマティクスでは、Microsoft HoloLens 2に対応したパッケージソフトウエア「GyroEye2020.2」を8月28日にリリースした。Microsoft HoloLensは2019年末に第1世代からMicrosoft HoloLens 2やTrimble XR10へと変わり、ハードウエア製品も大きく進化している。具体的には視野の拡大、精度の向上、より大きなBIM/CIMデータの展開が可能になるなどさまざまな面で現場への展開が現実的なものになりつつある。
 パッケージソフトウエア「GyroEye」は、建設現場の施工支援、生産性向上などを目的に、Microsoft HoloLensやiOS端末越しで、仮想データを現実世界に投影することができる複合現実、拡張現実ツールとして18年1月から提供を開始した。それ以降はゼネコン、エンジニアリング会社をはじめ100社を超える企業の実業務にMRが活用されており、それらユーザーからの要望に応え、毎年複数回のメジャーバージョンアップを行っている。
 「2020.2」は5度目のバージョンでMicrosoft社が提供するAzure Spatial Anchorsをいち早く組み込んだ空間アンカー機能や、測量機器であるトータルステーションとの連動アドオンソフトTS+のアルゴリズム一新によって土木測量における後方交会法に対応したほか、さまざまな機能強化がされている。

 □HoloビューワとTS+はHoloLens第1世代とHoloLens 2・Trimble XR10全てに対応□

 Holoビューワ:空間アンカー機能(Azure Spatial Anchors)では、図面やモデル再配置時、異なるHoloLensデバイス間での再配置利用時に効率的に配置できるようになり、検査ログ機能を強化し、これまで記録していたOK/NG情報に加えて、位置情報を持った形で自然発話した内容をテキスト化することにも対応した(Microsoft Cognitive Services対応)。
 TS+は、後方交会法にアルゴリズムを一新するとともに初期設定が簡便になり、使い勝手も飛躍的に向上(別途TS+のアドオンソフトの購入が必要)。TS+コントローラはTS+の機能を利用できるコントローラに改良、iOSビューワはオクルージョン機能(ARkit3.5に対応)によって人物、床、壁、天井などとモデルが干渉して表示されるようになった。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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