BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・152/樋口一希/羽田みらい開発のスマートシティ事業  [2020年10月1日]

空間情報データ連携基盤の構築

 羽田みらい開発が幹事を務める「羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会」は、国土交通省のスマートシティモデル事業で「先行モデルプロジェクト」に選定され、先端的技術の早期実装に向けた実証実験を始動した。出資企業は鹿島、大和ハウス工業、京浜急行電鉄、日本空港ビルデング、空港施設、JR東日本、東京モノレール、野村不動産パートナーズ、富士フィルムの9社。

 □国内外への情報発信に優位な立地を最大限に生かして新たな体験や価値を創造・発信する□

 HANEDA INNOVATION CITY(HICity=エイチ・アイ・シティ)は天空橋駅に直結する延べ床面積約13万平方メートル超の大規模複合施設で、羽田みらい開発と東京・大田区が官民連携で開発する「先端」と「文化」の二つをコア産業とする街。羽田空港に隣接、国内外への情報発信に優位な立地を最大限に生かし、新たな体験や価値を創造・発信する未来志向の街づくりを推進している。
 「羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会」は官民連携の下、大田区が抱える多様な地域課題を解決し持続可能な都市とするための実証的取り組みを行うテストベッド(※)としてのスマートシティを形成することを目的に三つの方策を定めている。
 ※テストベッド(testbed)=システム開発時に実際の使用環境に近い状況を再現可能な試験用環境、または試験用プラットフォームの総称。

 □空間情報データ連携基盤+多様な交流を生み出す仕組みづくり+区が直面する課題へ対応□

 1.空間情報データ連携基盤=BIMを活用したデータの統合・可視化・分析が可能な「空間情報データ連携基盤」を構築し、先端的技術の協調領域として活用していく。詳細は図参照。
 2.多様な交流を生み出す仕組みづくり=協議会メンバーが先進的技術の実証・実装を行うとともに、HICityを先端的技術の実証フィールドとして広く提供することによって協議会外からも実証実験などを行うプレーヤーを積極的に誘致する。多種多様な先進的技術の実証・実装を同区域で行うことで強力な情報発信を行い、さらに多くの実証・実装の誘発や産業交流の機会を創出する。
 3.大田区が直面する課題に応える四つの取り組み展開=大田区が直面する課題である「交通(交通弱者への移動支援)」、「生産性向上(担い手不足)」、「観光(観光資源化)」、「健康(未病への取り組み)」の解決に資する取り組み(スマートモビリティ、スマートロボティクス、スマートツーリズム、スマートヘルスケア)を展開し、早期のサービス実装を目指す。

 □自律走行バスの定常運行を開始+IoTを活用したトイレの空き状況表示などを先行的実施□

 スマートモビリティについては、特別装置自動車を自律走行バスとして9月18日から定常運行を開始。実施主体は羽田みらい、BOLDLY、マクニカ、日本交通。実施内容は運転手不足などの課題解決に向けて施設構内循環バスとして自律走行バス(乗車定員11人)を導入。使用する車両は特別装置自動車として認められた「NAVYA ARMA」で、特別装置自動車が自律走行バスとして定常運行するのは国内初の取り組みとなる。今後、運行を通じて技術の高度化を図り、将来的には施設外との循環バスへの転用を目指す。
 IoTを活用したトイレの空き状況表示についても実施主体をバカン、鹿島として9月18日から稼働開始。実施内容は施設内のトイレ(個室)についてセンサーを使用した空室情報の配信を行うとともに、インフォメーションセンター内に設置のデジタルサイネージへ表示することで混雑を避け安心して施設を利用可能とする。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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