始動-改正建設業法

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始動-改正建設業法・2/建設業法令順守ガイドライン/「著しく短い工期」どう判断  [2020年10月1日]

 1日施行の改正建設業法で新たに規定された「著しく短い工期の禁止」。中央建設業審議会(中建審)が作成・実施勧告した「工期に関する基準」(工期基準)で示した事項が考慮されているかどうかが、著しく短い工期の判断材料の一つとなる。ではどのような行為が業法違反となるのか-。

 法改正を受け国土交通省は「建設業法令順守ガイドライン」(指針)、「発注者・受注者間における建設業法令順守ガイドライン」(受発注者指針)を改定。業法に抵触するおそれのある行為事例を示した。

 改正法では注文者に対し、建設工事の施工で通常必要な期間と比べ、著しく短い工期での請負契約の締結を禁止する。違反行為として指針では▽元請負人(受発注者指針・発注者)が、下請負人(受注予定者)に対して一方的に通常よりもかなり短い工期を示し、下請契約を締結▽下請負人(受注予定者)が、元請負人(発注者)の提示する通常必要な期間よりもかなり短い工期で下請契約を締結▽下請負人(受注者)の責任ではない理由で工期変更する際、通常よりもかなり短い工期で下請契約を締結-の3ケースを例示した。

 著しく短い工期の禁止規定は建設業就業者の長時間労働の是正が目的。工期の判断は単に定量的な期間の短さではなく、工期短縮が長時間労働など不適正な状態を生じさせているかどうかに着目。工期基準の内容を踏まえていないなどによって、下請負人(受注者)が違法な長時間労働など不適正な状態で下請工事を施工することになっていないかどうかで判断する。

 改正労働基準法に基づく罰則付きの時間外労働の上限規制が、2024年4月1日から建設業に適用される。指針では上限規制を上回る違法な時間外労働時間を前提として設定される工期が、元請負人(発注者)と下請負人(受注者)の間で合意している場合でも著しく短い工期と判断する。

 改正業法では元請負人に対し、下請代金のうち労務費相当分を現金で支払うよう適切な配慮を求める。指針では、業法上望ましくない行為事例を「下請代金の支払いを全額手形払い」「労務費相当分に満たない額を現金で支払い、残りを手形支払い」と明記。受発注者指針では「発注者が請負代金支払いの大部分を手形支払い」した場合を望ましくない行為とした。

 改正法では不利益取り扱いの禁止を規定。元請負人の義務違反を許可行政庁や公正取引委員会などに通報したことを理由に、下請負人に対し取引の停止や不利益な取り扱いをすることを禁止する。指針では▽下請負人が元請負人と下請契約を締結後、不当に使用資材などの購入を強制されたことを監督行政庁に通報したため、下請代金支払いの際に元請負人が一方的に請負代金を減額▽下請負人が下請代金の支払いに際し、正当な理由がなく長期の支払い保留を受け監督行政庁に通報したため、元請負人が今後の取引を停止-を違反行為に挙げた。

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