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オーストラリア政府/インフラ整備に10年で8・3兆円投資/日本企業進出に追い風  [2020年10月15日1面]

 オーストラリア政府は新型コロナウイルスの影響で冷え込んだ景気の回復策として、インフラ投資を拡大する。1000億豪ドル(7兆5649億円)だった今後10年間の投資計画を1100億豪ドル(8兆3214億円)に引き上げた。2020、21年度は各州でのインフラ整備に104億豪ドル(7867億円)を投入。都市の混雑解消や地方の道路整備などの事業で経済を刺激し新規雇用を創出する。事業参入を狙う日本企業にとって追い風になりそうだ。
 同国政府は20~21年度予算案を6日に公表した。予算案では今後10年間のインフラ投資計画として、鉄道整備や高速道路の新設・更新などのプロジェクトを州ごとに列挙した。ニューサウスウェールズ州では26年の開港を目指し西シドニー地域で建設中の新空港と、既成市街地を結ぶ鉄道の整備計画に53億豪ドル(4006億円)を充てる。
 新空港周辺の開発事業には都市再生機構が技術協力しており、整備の本格化に合わせて日本企業の参入も期待されている。都市機構の担当者は「街づくりの基盤となる鉄道整備計画の前進にとても期待している。広域幹線道路の整備にも予算がついたと聞く。政府の公共投資を重視する方針を歓迎する」と語った。
 海外では同国以外にも「新型コロナの影響で落ち込んだ経済への対策としてインフラ投資を検討する動きが出始めている」(政府関係者)という。
 日本では、政府が新型コロナからの景気回復策として公共投資の「拡大」を明言したことはない。ただ4月に決定した政府の緊急経済対策で、今後効果の発現が見込まれる施策として「自然災害からの復旧・復興の加速のための公共投資」「防災・減災、国土強靱化の強力な推進のための公共投資」を挙げている。
 大規模災害の多発やインフラ施設の老朽化に対応するため、インフラ投資の必要性は年々高まっている。緊急対策に位置付けた公共投資をどう実行に移すのか政府の対応を注視する必要がありそうだ。

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