BIMのその先を目指して

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BIMのその先を目指して・154/樋口一希/みちびきとMR技術の連携へ実証実験  [2020年10月15日]

実証実験イメージ

 インフォマティクスは、内閣府と準天頂衛星システムサービスが主催する「2020年度 みちびきを利用した実証事業公募」でMR(Mixed Reality)技術を活用した提案が採択され、年内に実証実験すると発表した。

 □MR活用と評価を重ねてきた鴻池組と協力して国内の現場で12月から実証実験を実施□

 実証事業公募は、内閣府と準天頂衛星システムサービスがみちびきの利用が期待される新たなサービスや技術の実用化に向けた実証事業を行う企業を応援するために5月から募集を開始していたものだ。
 今回、インフォマティクスのMR技術であるGyroEye Holo(ジャイロアイホロ)と、みちびきのセンチメータ級測位補強サービスを連携させて建設・土木現場にBIM/CIMモデルを投影する実験が優秀な企画として認められ、採択に至った。鴻池組の協力の下、国内の現場で12月から実証実験を実施する予定だ。
 みちびきとMR技術の連携でBIM/CIMを効果的に運用する新たな取り組みが、建設・土木の施工、保全の現場において将来的に活用される技術となり、生産性の向上、品質の向上、ひいては建設業就業者の減少課題解決につながるよう、これまで数々のプロジェクトでMR活用と評価を重ねてきた鴻池組と協力して実証実験を行う。

 □実証事業テーマ「センチメータ級測位補強サービスとMR技術によるBIM/CIMモデル活用」□

 実証実験では、みちびきからの高精度位置情報とMR技術を連携させたシステムにより、建設・土木現場での活用が進むBIM/CIMモデル(3次元モデルデータ・デジタル設計図面)を容易に素早く工事現場に実寸で投影し、生産性の向上を目指す。
 MRデバイスの現場での初期キャリブレーション時に、みちびきからの位置情報を活用することで、クラウドにモデルの位置情報を登録し、次回からのモデル読み込みの手間を軽減する。実験はMicrosoft HoloLens 2とヘルメットを一体型にしたTrimble XR10を使用して行う。

 □みちびき+センチメータ級測位補強サービス+GyroEye Holo+空間アンカーの概要□

 みちびき(準天頂衛星システム)は、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている衛星測位システムで、2018年11月から4機体制で運用を開始しており、3機はアジア・オセアニア地域の各地点で常時見ることができる。みちびきはGPSと一体で利用できるため、安定した高精度測位を行うことを可能とする衛星数を確保する。GPS互換であるみちびきは、安価に受信機を調達可能なため、地理空間情報を高度に活用した位置情報ビジネスの発展が期待できる。
 センチメータ級測位補強サービス(CLAS)は高精度な衛星測位を行うため、国土交通省国土地理院が全国に整備している電子基準点のデータを利用して補正情報を計算し、現在位置を正確に求めるための情報(センチメータ級測位補強情報)がみちびきから送信される。現在、より安定した測位精度サービスを提供することを目的に、補強対象衛星数を最大17機とするユーザーインターフェース仕様の変更を計画(11月下旬に正式運用開始予定)している。
 GyroEye Holo(ジャイロアイホロ)は、インフォマティクスが開発したMicrosoft HoloLens 2対応のMRシステムだ。建築・土木分野での作業支援のほか、電気、ガス、水道などのインフラ分野、各種製造業でも活用が広がっている。
 空間アンカー(Azure Spatial Anchors)は、Microsoft社の新技術を用いてMRモデルが配置された位置情報を記録する。クラウドサービスであるMicrosoft Azureを介して再利用したり、複数人で容易にMRモデルを共有したりすることができる機能となっている。
 〈アーキネットジャパン事務局〉(毎週木曜日掲載)

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