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大成建設/環境DNA分析技術を確立/生態系に配慮したダム建設可能に  [2020年10月27日3面]

対象区域での調査期間、地点、頻度を選定して現地で採水・輸送し、DNAを分析する

 大成建設は水や土などに含まれる生物の破片や排せつ物などといった生物由来のDNAで生態を把握する「環境DNA分析技術」の有効性を確認した。目視などによる従来の手法と比較してモニタリング調査の効率化が図れる。DNA分析技術を活用することで、ダム現場周辺の生態系を広範囲に把握できるようになり、生態系に配慮した施工計画の立案が可能になる。
 従来の生態系の調査では地点ごとに専門家を配置して目視調査を実施していたが、DNA分析では複数地点で頻繁に採水するだけで生態系の把握が可能になり、モニタリング調査が効率化。魚類の生息有無や、産卵から死滅までの行動を経時的に把握できるようになった。
 大成建設は2017年からDNA分析技術を活用した生物環境モニタリングの適用に向けて取り組みを進めていた。このほど河川をさかのぼる「サクラマス」を対象にモニタリング調査を実施。河川の水に含まれるDNAを分析することでサクラマスの存否を確認するだけでなく、経時的な生息状況をとらえることに成功した。
 調査では河川の水からDNAを分析。サクラマスの遡上(そじょう)開始から産卵を経て死滅するまでの生息状況を経時的に把握できた。これにより工事現場周辺の河川に生育する生物を対象に、他の魚類でも広範囲かつ高頻度に採水し、DNA分析で生息の有無や種類の確認、産卵から死滅までの分布が推定できるようになる。
 建設工事では、現場周辺の生態系への影響を踏まえ、環境に配慮した計画・設計・施工が求められる。そのため、これまでは目視観察や捕獲による調査で事前に生物環境モニタリング調査を実施していた。しかし、捕獲に伴う生態系への影響や調査員の労力、コストなどの問題が課題となっていた。

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