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大成建設/細菌使った地下水浄化技術を確立/専用容器で大量培養、浄化期間を大幅短縮  [2020年10月28日3面]

 大成建設は細菌を使って地下水を浄化する技術を確立した。塩素化エチレンを無害化する細菌を大量培養し、汚染帯水層に注入して汚染を浄化する。実証実験で菌液を塩素化エチレン類で汚染された帯水層に注入したところ、従来の手法と比較して浄化期間が大幅に短縮できることを確認した。
 菌液を専用密閉培養容器で大量培養し、容器ごと輸送して汚染帯水層に注入する一連の新たな浄化技術を確立した。浄化技術には高い浄化能力を持つ「デハロコッコイデス属細菌UCH007株」を活用する。微生物培養のために密閉状態で酸素のない環境を維持できる専用密閉培養容器を使い、菌液を容易に大量培養することに成功した。
 空気に触れると死滅してしまう菌を大量培養し、生きた状態で輸送できるようにした。地下水汚染サイトに輸送した後は、さらに独自開発した装置で酸素がない環境を維持しながら、1カ所当たり約10分間で専用密閉培養容器から菌液を汚染帯水層に注入して汚染水を浄化する。
 実証実験では塩素化エチレン類で汚染された区域のうち、片方の区画にはデハロコッコイデス属細菌UCH007株と浄化材を、もう一方には浄化材のみを供給し、4カ月間にわたって経過を比較した。区画ごとに地下水の塩素化エチレン類の濃度を計測したところ、菌導入区画では注入直後から塩素化エチレン類が大きく減少。浄化材だけを供給する従来の方法と比較して浄化期間が約2カ月短縮できると確認した。
 環境規制物質の塩素化エチレン類に汚染された地下水の原位置での浄化には、浄化材を注入して地盤中に生息する浄化菌・デハロコッコイデス属細菌を増殖させる方法が実施されているが、地盤中の有用な菌数が少なく、増殖速度が遅いため、浄化期間が長期化する傾向がある。そこで近年はあらかじめ培養した浄化菌を注入して浄化期間を短縮する方法が着目されている。しかし浄化菌を空気に触れさせずに輸送・注入する装置などのコストが課題だった。

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