全建ブロック会議を振り返る

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全建ブロック会議を振り返る・上/コロナ禍乗り越え地方創生/国土強靱化投資が不可欠  [2020年10月30日]

四国地区では災害対応の在り方で活発に意見を交わした=13日、高松市内で

 全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)と国土交通省による2020年度「地域懇談会・ブロック会議」が、30日の北海道地区で全日程を終える。コロナ禍による景況の悪化や相次ぐ自然災害といった現状を踏まえ、国土強靱化や経済対策、地方創生を焦点に各地区で意見を交換。「地域の守り手」として地域建設業が機能を維持していくための課題を共有した。(編集部・田村彰浩)

 今年の会合は新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえ、規模を縮小しながらも対面式で実施した。28日に仙台市内で開いた東北地区の地域懇談会・ブロック会議後に会見した奥村会長は、「国土強靱化予算を次年度以降も当初予算に特別枠として取り込んでもらうのが各地区とも一番の要望だった」と振り返った。

 今年も20年7月豪雨など自然災害が各地で猛威を振るった。災害発生時に地域建設業は昼夜を問わず、復旧作業に従事する。政府の「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(18~20年度)が本年度に完了するのに対し、浅野正一山梨県建設業協会会長は「まだまだ不十分」と継続の必要性を指摘した。荒木雷太岡山県建設業協会会長も「延長が必要」とし5年以上の事業継続を求めた。

 奥村会長は地域懇・ブロック会議で全国を巡る合間を縫って菅義偉首相と12日に会談し、3か年緊急対策の継続を要望した。補正予算ではなく当初予算で国土強靱化予算を確保するよう強く訴えた。27日には小此木八郎防災担当相に同様の申し入れを行った。

 改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)では、建設業者団体との災害協定の締結など緊急対応の強化が盛り込まれた。南海トラフ巨大地震の発生確率が高まる中、川原哲博徳島県建設業協会会長は、四国地方整備局、徳島県と締結している災害時の応急復旧活動などの協定に対し「訓練の頻度を高めないといけない」と問題提議した。

 20年7月豪雨で甚大な被害を受けた九州地区の会合では、藤元建二宮崎県建設業協会会長が椎葉村で会員が被災したと紹介。早期復旧の観点から、県境をまたいで復旧に当たれる仕組みの構築を提案した。

 公共事業への依存度の高い地域建設業が担い手の確保や育成に取り組み、安定した経営基盤を構築するには公共事業予算の確保が欠かせない。コロナ禍で民間投資の減退による景気の悪化が懸念されている。各地の建設業協会からは民間工事の減少を補い、地域経済を活性化させるためにも、公共工事の発注量の確保を求める声が相次いだ。

 コロナ禍で地方創生の機運が高まる中、地方への移住や定着を進めるにはテレワークの推進だけでは十分とはいえない。若い世代を呼び込むには地場産業の育成とともに病院や道路、公園など生活基盤の整備が欠かせない。奥村会長は「ポストコロナの新たな時代に、新しい地域の作り手としても中心的役割を務めていかなければならない」と地域建設業の役割を強調する。

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