全建ブロック会議を振り返る

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全建ブロック会議を振り返る・中/平準化で働き方改革推進/実態に即した法運用を  [2020年11月2日]

 改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針を巡る全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)の2020年度調査によると、施工時期の平準化や適正な工期設定など多くの項目で発注機関によって実施状況に差があり、特に市区町村は不十分として、改善途上とする回答の割合が高い結果となった。

 公共工事の多くは単年度施行で、下半期に発注、工期が年度末に集中する傾向が強い。完成を急ぐために現場従事者は時間外労働を余儀なくされ、休日が確保しづらい実態がある。年度末の施工の偏りから技能者や資機材の調達が難しく、単価の高騰を招いて各社の経営を圧迫している。

 施工時期の平準化に関し、桑原勝良滋賀県建設業協会会長は「従事者の休日確保や不稼働日数、気象条件などを考慮した適正な工期の設定が必要だ」と強調。地元未調整などにより工事着手が遅れた事例を示し、「工期末を変更するといった柔軟な繰り越し制度を活用してほしい」と訴えた。

 自治体が発注済みの工事で年度末までの工期を延長する場合、支出を次年度に繰り越す「繰越明許費」の議会承認を得る必要がある。従来の年度末から11月議会、9月議会、さらに前の6月議会に前倒しする動きが出ている。本年度から長崎県や鹿児島県、静岡県が9月議会、宮崎県は6月議会に承認手続きを前倒ししたと明らかにした。

 10月に施行された改正建設業法で「著しく短い工期による請負契約の禁止」が規定された。働き方改革関連法で導入された罰則付き時間外労働の上限規制が建設業に適用される24年4月に向け、適正な工期での受注は働き方改革を前進させる追い風となる。

 一方で、現場の実態に即した法律の運用が欠かせない。山本善一神奈川県建設業協会副会長は「地域建設業の現場勤務では、事業所に一度出勤してから1台の車両で乗り合わせて移動する例が多い」と、移動時間を勤務時間として取り扱っている実態を説明した。

 国土交通省の近藤修技術調査課建設システム管理企画室長は「常設の作業帯の確保が難しい場合や近くに資機材置き場が借地できないといった事情で、やむを得ず事業所に出勤してから現場に向かう事例がある」と理解を示し、「どういう対応が考えられるか検討中」と応じた。

 国交省は本年度から原則すべての工事を週休2日の対象にした。現場閉所が困難な維持工事などでは「週休2日交替制モデル工事」を試行している。ただ中部地方整備局管内のように、昨年度に契約した工事約900件のうち週休2日の取り組みを意思表示したのは約500件、受注者希望型では約740件に対し約320件と約4割にとどまっている現状がある。

 公共工事での週休2日は現場の休日確保で先導的な役割を持つ。さらなる普及促進のためには週休2日対象工事での補正係数の引き上げと合わせ、労務単価の引き上げが必要だとの声が各地で上がった。

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