人事・動静
鹿島昭一氏が死去/建築をこよなく愛す [2020年11月12日1面]
鹿島の元社長で取締役相談役の鹿島昭一(かじま・しょういち)氏が4日、心不全のため東京都内の病院で死去した。90歳だった。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。社葬とお別れの会は未定。喪主は妻の公子(きみこ)さん。同日付で取締役を退任した。
昭一氏は、創業家一族で中興の祖である鹿島守之助氏の長男として1930年に生まれた。53年に東京大学工学部建築学科を卒業後、父が社長を務める鹿島に入り取締役に。54年からハーバード大学大学院建築科に3年留学(建築学修士)した後、建築・設計分野の担当に就いた。59年代表取締役副社長、78年に同副会長を経て84年社長就任。90年に再び同副会長となり、94年から取締役相談役を務めていた。
経営者であり建築家でもあった昭一氏は、数々の建築賞を受賞。63年にリッカー会館(東京・銀座、現Daiwa銀座ビル)の設計で日本建築学会賞作品賞、90年に日本建築学会文化賞などを受賞。文化的な事業や海外事業にも熱心に取り組み、カジマインターナショナル各社社長や鹿島美術財団理事長、鹿島学術振興財団理事長、国立西洋美術館評議員、王立英国建築家協会名誉会員なども務めた。
昭一氏が本紙に最後に登場したのは2006年3月9日付の「建築へ」。副社長時代に設計したリッカー会館(1963年竣工)を大規模改修し、BELCA賞ロングライフ部門を受賞した記事だった。昭一氏は「40年も取り壊されずによく残ってくれた。そしてよくよみがえってくれた」と素直に喜んでいた。
リッカー会館は昭一氏が米国留学から戻り、本格的に設計に取り組んだ最初の作品。ダブルスキンのファサードが特徴で、建物外壁の外にバルコニーをとり、そこにカーテンウオールを設置した。昭一氏は「当時、カーテンウオールは米国では普及していたが、日本は工業化されていなかった。そこで可能な限り本格的なカーテンウオールを追求した」。いまや超高層建築の外装で使われているカーテンウオールはこの建物から始まったとも言える。
昭一氏は鹿島出版会の役員も務め、海外の優れた建築物や建築書を数多く紹介した。「日本の建築界に少しでもプラスなればと思い、建築やデザイン分野の出版に力を入れた」。建築を文化として愛し、先進的な技術に果敢に挑んできた昭一氏。社員と共に手掛けてきた数多くの建築はいつまでも息づいている。
昭一氏は、創業家一族で中興の祖である鹿島守之助氏の長男として1930年に生まれた。53年に東京大学工学部建築学科を卒業後、父が社長を務める鹿島に入り取締役に。54年からハーバード大学大学院建築科に3年留学(建築学修士)した後、建築・設計分野の担当に就いた。59年代表取締役副社長、78年に同副会長を経て84年社長就任。90年に再び同副会長となり、94年から取締役相談役を務めていた。
経営者であり建築家でもあった昭一氏は、数々の建築賞を受賞。63年にリッカー会館(東京・銀座、現Daiwa銀座ビル)の設計で日本建築学会賞作品賞、90年に日本建築学会文化賞などを受賞。文化的な事業や海外事業にも熱心に取り組み、カジマインターナショナル各社社長や鹿島美術財団理事長、鹿島学術振興財団理事長、国立西洋美術館評議員、王立英国建築家協会名誉会員なども務めた。
昭一氏が本紙に最後に登場したのは2006年3月9日付の「建築へ」。副社長時代に設計したリッカー会館(1963年竣工)を大規模改修し、BELCA賞ロングライフ部門を受賞した記事だった。昭一氏は「40年も取り壊されずによく残ってくれた。そしてよくよみがえってくれた」と素直に喜んでいた。
リッカー会館は昭一氏が米国留学から戻り、本格的に設計に取り組んだ最初の作品。ダブルスキンのファサードが特徴で、建物外壁の外にバルコニーをとり、そこにカーテンウオールを設置した。昭一氏は「当時、カーテンウオールは米国では普及していたが、日本は工業化されていなかった。そこで可能な限り本格的なカーテンウオールを追求した」。いまや超高層建築の外装で使われているカーテンウオールはこの建物から始まったとも言える。
昭一氏は鹿島出版会の役員も務め、海外の優れた建築物や建築書を数多く紹介した。「日本の建築界に少しでもプラスなればと思い、建築やデザイン分野の出版に力を入れた」。建築を文化として愛し、先進的な技術に果敢に挑んできた昭一氏。社員と共に手掛けてきた数多くの建築はいつまでも息づいている。
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コメント
ありがとうございました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
ゆっくりとお休みください。