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近畿整備局/足羽川ダム本体工事が起工/施工は清水建設JV、26年度の完成めざす  [2020年11月17日10面]

完成イメージ

井上局長

杉本知事

関係者による鍬入れ

 1967年度に足羽川上流部でのダム建設の予備調査を開始してから半世紀。建設地の変更など曲折を乗り越え、九頭竜川水系に建設する足羽川ダム(福井県池田町)の本体建設工事が始まった。近畿地方整備局は15日、堤体予定地近くで起工式を開き、2026年度の完成を目指し工事の安全を誓った。平常時は水を貯めない洪水調節専用の流水型ダムとしては国内最大規模となる。本体工事の設計は日本工営、1期工事の施工は清水建設・大林組JVが担当。今後、樹木を伐採して基礎掘削に入る。
 式典には国をはじめ、県や福井市、池田町など自治体関係者、県選出の国会議員、施工関係者ら約150人が出席。国土交通省水管理・国土保全局の井上智夫局長は「福井豪雨から16年を迎えたが、災害を未然に防ぐ事前防災対策が極めて重要だ。一日も早い完成を目指して皆さんの期待に応えられるよう安全に留意しながら取り組む」と決意を述べた。
 福井県の杉本達治知事は「足羽川の治水対策は河川改修とともに上流のダムが一緒にならないと完成しない。一日も早く完成させてほしい」と期待。福井市の東村新一市長も「流域住民の命と財産を守り、安全・安心な生活の実現のためにダムは必要不可欠だ」と訴えた。
 山崎正昭参院議員、稲田朋美衆院議員らによるあいさつに続き、足立敏之参院議員は「昨年の台風19号では八ッ場ダムが利根川の治水に大きく貢献した。いま事業中のダムはとにかく一日も早く整備するのが必須だ」と話した。
 羽水高校1年の須方海咲さんが「大好きな福井を守ってもらえる。感謝の気持ちでいっぱい」とメッセージを送り、最後に工事の安全を願って鍬入れとくす玉開きを行った。
 足羽川ダムは1983年度に実施計画調査を開始し、94年度に建設事業に移行。当初計画は水没世帯が多くなるため、旧美山町から池田町に予定地を変更する代替案を示し、04年の福井豪雨を機に必要性を指摘する声が強くなり、07年に策定した河川整備計画で正式に決定した。
 計画では足羽川支川の部子(へこ)川に堤高約96メートルの重力式コンクリートダム(堤頂長約351メートル)を建設する。総貯水容量は約2870万立方メートルで、洪水調節容量は約2820万立方メートル。洪水時はゲートを閉めて一時的に水を貯め、洪水が収まった後に安全な量だけを下流に流す。足羽川と日野川、九頭竜川の下流地域の洪水被害の軽減が期待される。
 ダム本体は清水建設・大林組JVが担当し、1期後の工事は随意契約する。本体工事は樹木の伐採から始まり、堤体建設に向けた基礎掘削を進める。骨材プラントなどの設備も設置し、基礎掘削完了後にコンクリートを打設する。
 足羽川と支川の洪水をダム湖に集めるための導水トンネルも計画し、水海(みずうみ)川からの導水トンネル(延長約4・7キロ、径8・5メートル)は1期工事(施工は熊谷組)が完了。引き続き、延伸区間の2期工事(施工は安藤ハザマ)が進んでいる。総事業費は約1300億円。将来はダム湖と足羽川、割谷川、赤谷川をつなぐ導水トンネルの整備も計画する。
 清水建設の井上和幸社長は「流域の方々、地域の方々にしっかり貢献できるよう立派なダムを作り上げたい」と話していた。

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