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伝統建築修復の技/ユネスコ評価機関が無形文化遺産に登録勧告/文化庁  [2020年11月18日2面]

檜皮での屋根葺き

古式の木工技術による修理

 文化庁は17日、日本の伝統的な木造建築を修復する職人の技術をまとめた「伝統建築工匠の技」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関が無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表した。12月14~19日に仏パリで開かれる政府間委員会で正式決定される見通し。登録されれば2018年の「来訪神:仮面・仮装の神々」以来で、国内の無形文化遺産は22件となる。
 登録が勧告されたのは、木造建造物を受け継ぐための伝統技術。文化財保存に不可欠な技術として国が認定する「選定保存技術」のうち、木工や檜皮(ひわだ)葺(ぶ)き、装飾、左官、畳など伝統建築修理の17技術。政府は18年にユネスコへ申請を提案したが、審査が先送りとなり技術の件数を増やし、19年に再提案した。
 提案書では「木や草、土など脆弱(ぜいじゃく)な自然素材で地震や台風に耐える構造と豊かな建築空間を生み出す。世界最古の木造建造物、法隆寺をはじめ歴史的建築遺産に欠かせない保存修理で建築当初の部材とやむを得ず取り換える部材との調和や一体化を実現する高度な技術。棟梁(とうりょう)を中心とする職種を越えた組織の下、伝統を受け継ぎながら工夫を重ねて発展してきた」などと訴えていた。
 勧告は「無形文化遺産全般の重要性の可視化や認知向上に貢献できる好例。無形文化遺産と有形文化遺産である建造物との本質的な関係に光を当て、持続可能な開発に沿った提案だ」などと評価した。
 選定保存技術と保存団体は次の通り。
 ▽建造物修理=文化財建造物保存技術協会▽建造物木工=同、日本伝統建築技術保存会▽檜皮葺き・〓(きへんに市)(こけら)葺き=全国社寺等屋根工事技術保存会▽茅(かや)葺き=同▽檜皮採取=同▽屋根板製作=同▽茅採取=日本茅葺き文化協会▽建造物装飾=社寺建造物美術保存技術協会▽建造物彩色=日光社寺文化財保存会▽建造物漆塗=同▽屋根瓦葺き〈本瓦葺き〉=日本伝統瓦技術保存会▽左官〈日本壁〉=全国文化財壁技術保存会▽建具製作=全国伝統建具技術保存会▽畳製作=文化財畳保存会▽装〓(さんずいに黄の旧字)(そうこう)修理技術=国宝修理装〓(さんずいに黄の旧字)師連盟▽日本産漆生産・精製=日本文化財漆協会、日本うるし掻(か)き技術保存会▽縁付金箔(きんぱく)製造=金沢金箔伝統技術保存会。

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