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竹中工務店ら/名古屋テレビ塔の4本足基礎に免震装置設置/張力制御装置を開発  [2020年11月24日3面]

免震改修工事が完了した名古屋テレビ塔

 竹中工務店と日建設計が取り組んだ名古屋テレビ塔(名古屋市中区)の免震工事が完了した。高さ180メートル、4000トンのタワーをジャッキアップし、4本足の基礎に免震装置を設置。裾広がりの建築物には常に広がろうとする「スラスト」と呼ぶ力が働く。力を受け持つ既設基礎梁を新設の鉄骨タイビームに移行しながら免震装置を安全に設けるため、張力制御装置(TCD)を開発。張力を厳密に制御して施工し、完成後の塔脚スパン(35メートル)の広がりを5ミリ以下に抑えた。
 スラストに対し既設の基礎や基礎梁が実際に抵抗している力を正確に把握することは、地盤抵抗など多くの不確定要素があるため不可能という。工事では不明確な力をどのように想定し「新設の鉄骨タイビームへの張力移行」と「免震装置の設置」の施工安全性を担保するかが施工計画のポイントになった。
 改修前の基礎の地盤による抵抗力「水平拘束度」を変化させながら、シミュレーションを繰り返す独自の解析手法も開発。解析の結果、初期張力として4900キロニュートンを加えることで、既設部材を安全に切断できることが分かった。柱脚間の広がりも制限内に納まると事前に把握できた。
 4本足それぞれに▽鉛直荷重支持の「直動転がり支承(CLB)」▽変位を戻す「積層ゴム」▽暴風時の居住性確保の「耐風ストッパー」▽地震時の揺れを減衰させる「オイルダンパー」-で構成する免震装置を据え付けた。
 免震化でタワーは水平方向に最大約50センチ動く。新設したエレベーター棟と本体は2~4階でタワーの形状に沿うように接続するため、エキスパンションジョイントは既製品を応用し使用した。最終的に南海トラフ地震の想定震度6強にも耐えるホテル付きタワーに改修できた。
 名古屋テレビ塔の所在地は錦3の6の15。改修工事の設計・監理は日建設計で、竹中工務店が施工した。工期は2019年2月~20年8月。テレビ塔は戦後の名古屋の復興シンボルとして1954年に誕生した。設計は国内各地でランドマークになるタワーを手掛けた構造家の内藤多仲(1886~1970年)。国内初の集約電波塔として登録有形文化財にも指定されている。

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