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ゼネコン各社/洋上風力事業参画へしのぎ削る/体制強化や技術開発加速  [2021年1月4日1面]

五洋建設らが建造するSEP船のイメージ

 経済産業、国土交通両省が昨年11月に秋田・千葉両県の4区域で洋上風力発電(着床式)の事業者選定手続きを開始するなど、洋上風力発電プロジェクトの実現が具体化しつつある。事業者やEPCI(設計・調達・施工・据え付け)などで参画を狙うゼネコン各社も体制強化やSEP(自己昇降式作業台)船の建造、技術開発などを加速している。
 洋上風力発電のトップランナーを目指す五洋建設は、風車の大型化などを背景に鹿島らと1600トンつりのSEP船を建造中。清水琢三社長は「市場規模の拡大を考えるともう1隻必要になる」との考えを示し、海外企業と連携しながらSEP船の調達を検討している。鹿島の押味至一社長は市場規模の拡大を見据え「湾岸に拠点を作りたい」と話す。大林組は東亜建設工業と共同でSEP船を建造中。清水建設も世界有数の作業能力を備えたSEP船を22年10月に完成させる予定だ。
 戸田建設は浮体式洋上風力発電設備を実用化済み。「浮体式は当社が完全にアドバンテージを握っている。徹底的なコスト低減に向け技術開発や研究を継続していく」と今井雅則社長は力を込める。
 東洋建設も洋上風力発電施設のコスト低減に向けた基礎工法などを開発中。武澤恭司社長は「究極の目的は低価格で電気を供給することだ。期待に応えられよう技術開発に取り組みたい」と話す。東亜建設工業は施工能力の向上などに向け海外企業との業務連携も視野に検討を進める。秋山優樹社長は「今年は勝負の年になる」と力を込める。
 若築建設は昨年12月1日に洋上風力開発室を設置し体制を強化した。風車の大型化が加速する中、五百蔵良平社長は「船舶の規模で勝負するのではなく、10メガ以下の中規模施設をターゲットに考えている。低コストで効率的に施工できる技術を確立しその土俵で勝負していく」と意気込む。
 洋上風力発電は菅政権が目標に掲げる「カーボンニュートラル」を実現する上で重要な役割を果たす。業界の枠を超えた連携も視野に、ゼネコン各社は攻勢を掛ける。

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