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全漁建/水産庁に要望書提出/漁村の活性化対策必要、次期長期計画に反映を  [2021年1月14日2面]

山本竜太郎部長に要望書を手渡す岡貞行会長〈右〉=1月13日、東京・霞が関の水産庁で

 全日本漁港建設協会(全漁建、岡貞行会長)は、2020年度の漁港漁場関係事業に対する要望をまとめた。近年の漁港漁場整備を取り巻く環境の変化を踏まえ、水産庁が策定中の漁港漁場整備長期計画に新たな漁場開発や養殖環境の整備といった漁業の活性化対策、国土強靱化対策を盛り込むよう求めた。コロナ禍で機運が高まる地方分散型国土の拠点に漁村を位置付け、必要な活性化対策を重点課題として取り組むよう訴えている。
 13日に岡会長ら幹部が東京・霞が関の水産庁を訪れ、山本竜太郎漁港漁場整備部長に要望書を提出した。
 水産庁は22年度に新たな漁港漁場整備長期計画の策定を予定している。全漁建は同計画への期待を重点課題として列挙。将来が見通せる事業量の明示とともに、直轄事業による新たな漁場開発や漁港施設の効率的な維持管理業務など事業分野の拡充を図るよう求めた。近年多発する災害に対応し、地域の守り手としての役割を発揮していく上で必要な予算の確保と適切な配分も求めた。
 漁港建設業は国の直轄事業が少なく、大半が都道府県や市町村の事業である実態から、公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく運用指針を徹底するよう自治体への指導を要望した。クローラクレーンの拘束日数や作業船の供用係数、回航費などで積算と施工実態に乖離(かいり)がある場合が多いとし改善を求めた。施設の老朽化で機能保全のための小規模工事が増えている状況を踏まえ、見積もりの活用や小規模工事に対応した適切な積算基準の整備を要望した。
 働き方改革では、生産性向上に有効なICT(情報通信技術)やPCa(プレキャスト)化の積極的な採用と必要な助成を求めた。自治体の技術系職員が不足している現状を踏まえ、適切な発注体制構築の必要性を訴えた。市町村との災害協定の締結など迅速な災害復旧を実現するための防災体制の強化を求めた。
 山本部長は発注関連の課題に対し「直轄はしっかり対応できている。補助事業、特に技術者のいない市町村が課題だ。具体的にどこでどういう問題があるか指摘してもらい対応していく段階だ」と述べた。岡会長は会員企業から収集した「不適切事例集」の暫定版を策定したことを明かし、「問題意識の共有と解決策の検討に生かしたい。公表の準備をしている」とした。
 災害関連で山本部長は「流木や土砂が漁場に堆積する災害が発生している」とし、20年7月豪雨に伴う有明海の災害復旧で建設業者と漁業者が連携した事例を紹介。「建設業者と漁業者の連携が大事だ。モデルケースとして発信していきたい」と力を込めた。

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